梅雨とテスト ページ9
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新学期が始まって2ヶ月。
そろそろ新しい生活にも慣れてきた頃で、季節は春を超え俗に言う梅雨と呼ばれるものがやってくる。
最近は雨の日が多く、本格的に梅雨も始まるような天気模様の中今日も俺は元気に授業を進める。
「この、遺伝子の計算問題はテストに出るしなー。
ちゃんと解けるようにしておくこと！」
そう、来月の頭には前期末テストというものを迎える。
「えぇー、先生計算問題だけは……やめて。」
「そんなこと言われてもやなぁ。範囲やねんからしゃーないやん。」
テストに出ると生徒に伝えると、あちらこちらからマイナスな言葉が飛び交う。
生徒の言葉に答えながらふと前を見ると机に倒れてる目黒にコソコソ話すラウールの姿が目に付いた。
目黒は俺の授業が始まってからずっと机に突っ伏したまま。
1回も注意せず、見逃していたけどそろそろ……ね。
生徒の間を歩いて目黒の席に近づくにつれ、聞こえる話し声。
「ほら、めめそろそろ起きなよ。せんせーに怒られちゃうよ。」
「んー。せんせだから大丈夫」
「何が俺やから大丈夫やって？」
そう、目黒を見下ろすして言うとバッと勢いよく起き上がる彼。
「あ、せんせ。」
「あ、せんせ。ちゃうで？もうすぐテストやで？ちゃんと起きて授業聞かな。」
「はぁーい。」
ちゃんと話を聞いてるのか分からない目黒を横目に俺は教卓の方に戻っていく。
隣のラウールはその様子を「だから言ったのに」という目線を目黒に向けている。
＿＿＿＿＿＿＿
「先生ー、また明日ねー。」
「気ぃつけて帰りやー！」
次々に教室を後にする生徒を見送りながら教卓で俺も荷物をまとめる。
「もー、めめとラウもはよ帰りや。雨降んで？」
俺はまだ机に突っ伏している目黒とその突っ伏している目黒の頬をツンツンしているラウールに声をかける。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
