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目黒side
「はぁ？」
「だから、これお前が受け取らないと俺があいつと行くことなるけど。どうする？」
6限が終わってあと帰りのHRだけという時に、いきなり松村に呼び出された。
人気のない階段の踊り場まで連れてこられたと思えば、何なんだ。
てか、ちゃんと先生と話してくるとか言ってたんじゃんかよ。
「……意味わかんねぇし。てか、なんであの人受け取ってんの。」
「さぁ？今はお前と距離置いてんだからあいつの勝手だろ。んで、受け取るの？受け取らないの？」
「頂戴それ。言ったじゃん、俺あんたにあいつ渡さないって。」
「あー怖い怖い」と言いながらチケットを渡してくる松村。
てかこれ外のイベントじゃん。
大丈夫？これでバレたら俺も先生も終わる。
松村から受け取ったあと、じっとチケットを見つめていたからなのか前から声がかかる。
「夜だし暗いし他の奴らもイルミネーション見に来てんだから大丈夫。しかも、割とここからだと距離もある。心配すんな。お前らは大丈夫だから。」
「………なんかあんたに言われるとムカつく。」
「はぁ？親切に譲ってやってんだろ？ほんっと、可愛くねぇな。」
「可愛いって思ってくれるのは先生だけで十分。」
松村は「はいはい」と呆れ顔をしながら、当時は6時半に現地ってなってっからと言い、俺の肩にポンっと置くと職員室の方に歩いていった。
するとタイミング良くチャイムが鳴り、俺も急いで教室に戻った。
＿＿＿＿＿
「えっ、じゃあ康二くんは松村先生と行く約束してたってこと？」
「なんじゃね？ちゃんと聞いてねぇけど。」
帰り道、ラウと今年のクリスマスはどうするかという話になり、先程松村からチケットを貰ったことを伝えるとそのままいつものファミレスに強制連行された。
「………でもさ、わざわざ好きな人と約束したのにめめに渡すかなぁ？しかもクリスマスだよ？」
「それを言われてみれば確かに……。」
あの2人がどんな話をしてどうなったか俺は知らない。
確かに、あいつのことだから先生の事になると引かないはずだ。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
