ケジメをつける ページ41
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文化祭が終わっても体育祭やら定期テストで追われる日々。
北斗とちゃんと話すと決めたのにも関わらず、忙しすぎて気づけばもう11月末。
俺がちゃんと北斗と話さなければ蓮を迎えに行けない。
「先生バイバーイ！」
「暗いし気をつけて帰るんやでー！」
最後の生徒を見送って教室で仕事をする。
すると、入れ違いのようにやって来たのは俺が話すタイミングをずっと伺っていた北斗。
「康二、今いい？」
「……なんか、見たことある光景やな。俺も話したいことある。」
「前みたいに暑くないもんね。」
北斗の言葉にそうゆうことちゃうやろ、と思いながらも少し緊張を解してくれてるんかなとか思う。
「それ、冬休みの課題？」
「んー？そう、来年は受験生やしなぁ。理系の大学行く人割といるし。」
「流石。」
なんて他愛もない話をしていても、俺はどうやって切り出そうかと頭をフル回転させる。
すると、北斗の方から「この前はいきなりごめん」と言われゆっくり顔を上げる。
「強引すぎたし、康二の気持ちもなんも考えてなかった。けど、俺は本気で康二のことが今でも好き。」
「………なぁ、俺の話聞いてくれる？」
「ん。」
「高2の時、転校してきて北斗に出会って俺もいつの間にか北斗のこと好きやった。けど、周りから恋愛対象が男ってことがバレてから避けてしもた。……北斗は、いつも通り接してくれたんに。」
「それはさ、康二なりの優しさ、でしょ？」
「………なんで、それ。」
あの時、ただ避けたのは "北斗のことが好きで優しくされるのが逆にしんどかった" というのも一理ある。
けど、1番は "北斗が俺といることでイジメられるのが嫌やったから"
「…………目黒。」
「え？」
「目黒が、教えてくれた。不器用だけど自分より相手を想って誰よりも優しいって。」
「…………。」
「好きなやつのどこ見てんだよってマジ切れされたわ。」
ちょっと切なそうに寂しそうに笑う北斗を見て俺は泣くのを我慢するのに必死だ。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
