・ ページ40
·
生憎3人には "蓮と距離を置く" ということを伝えそびれている。
どうしようと1人でバレないように焦っていると後ろから「康二、こっち」と腕を引かれる。
なんかこの感じデジャブやな、と思いながら俺の腕を引く翔太くんについて行く。
中庭に着き、自動販売機で買ったくれた缶コーヒーを翔太くんから貰う。
「はぁー。やっぱ10月も終わりになると寒ぃな。」
「おん。………ありがとうな、翔太くん。」
「ん。ちゃんと、目黒に言えたのか？」
「……いや、あいつから。」
そう言うと、「は？」と言って横に座る俺の方に顔を勢いよく向ける。
そりゃそうだ。
翔太くんでもまさか向こうから言ってくるなんて思ってもいないだろう。
俺もそうやったし。
「ほんまは俺から言わなあかんかったのにな……。また、無理させちゃったな。」
「………あいつは、逆にお前から言われるのが嫌だったんじゃねぇの？」
「へ？」
「好きな人から "距離置こう" なんて "別れよう" と言われてるようなもんじゃん。」
確かに、考えてみればそうだ。
大体のカップルが距離を置いたという話を聞いた後、聞くのは「別れた」という話。
「目黒も、あいつもあいつで康二のこと想ってんだよ。」
「………ほんま、蓮には敵わんなぁ。」
「なんか、康二から "蓮" って聞くのやべぇな」
ヤバいことしてるみたい、と言って笑う翔太くんに「失礼な！ひどい！」とツッコむ。
ヤバいことしてるのはそうやけど。
2人で黄昏ていると校内放送で撤去作業を始めてくださいのアナウンスが聞こえる。
翔太くんが立ち上がり、急がねえとやべぇなと言い俺に行くぞと声をかける。
「翔太くん。」
「ん？」
「北斗と、ちゃんと話せるかな？」
「………お前なら大丈夫。あいつも、ちゃんと聞いてくれるよ。」
「ふふ、やっぱイケメンやな翔太くん。」
そう励ましてくれる翔太くんはイケメンでカッコよくて。
「目黒がここに居たら俺殺されてるわ」と言って怖がる翔太くんは可愛い。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 659人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
