・ ページ35
·
「………お前は、そいつの話を聞いてどう思ったの？」
「えっ？」
「目黒と別れたいと思った？」
別れたい？
そんなの決まってる。俺は嫌だ。
彼は俺より年下だけど、彼の腕の中は暖かくて優しくて柔らかくて手放したくなくて。
でも、我慢させてしまうことの方が多くて。
「これから言うことは先生じゃなくて康二の友達としてだから。………康二が別れたくないんだったら別れなくてもいいと思う。」
「………うん。」
「でもさ、ちょっと距離を置くってのもありだと思う。」
「…………。」
「康二は北斗の気持ちにちゃんと蹴りをつけれてないじゃん。」
確かにそうだ。
今は北斗のこと何とも思ってないし、俺が好きなのはこれからも一緒に居たいと思うのは蓮だ。
「翔太くん。」
「ん？」
「俺なりにちゃんとケジメ、つけるわ。」
そう伝えると翔太くんは優しく微笑んで「おう、頑張れ。」と言ってくれた。
＿＿＿＿＿＿
翔太くんと話してから2週間。
あれから蓮とは連絡も取らず、日曜日に蓮が家に来ることもなかった。
家に蓮が来なければ、俺から会いには行けないし、外で会うことも出来ないから話す機会がない。
どうやって、話そうか考えているうちに文化祭の準備は進み、文化祭の日になってしまった。
俺たちのクラスは映える写真が撮れる写真館。
教室の黒板に美術部の子が絵を描いたり、壁や窓に風船を飾ったりと、とても華やかになっている。
この文化祭で様々な想いが溢れることにまだ俺は気づいていない。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 659人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
