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ふっかさんの代わりに目黒の補習を初めてからもう最終日を迎えた。
今日もプリントを渡して、俺はチラチラ見ながらも自分の仕事をする。
「………ねぇ、せんせ？」
「んー？分からんとこあったん？」
今までしていたシャーペンの音が消えたと思ったら目黒が話しかけてきた。
分からないところでもあったのかと思い顔を上げると目黒が真っ直ぐ俺の事を見ていた。
「この前の返事聞かせてよ。」
「……は？」
「だから、告白の返事。俺は本気って言った。俺はせんせの彼氏になりたい。」
「返事聞かせて」と言われて俺はすぐに何のことか察したけど、分からないふりをした。
まず、俺と目黒は "先生と生徒"
それと、俺はもう恋愛はしないと決めた………のに。
「………目黒、俺とお前は "先生と生徒" や。俺たちは結ばれたらあかんねん。」
「俺は "向井先生" じゃなくて "向井康二" に告白してる。先生と生徒？そんなの関係ない。」
「逆にそっちの方が面白いじゃん」なんてふわっと笑って言う目黒。
………今回は、もう俺の完敗かもしれない。
でも、裏切られるのが怖い。
もう、傷つくのはごめんだ。
そんな俺の心を読んだか分からないが、2人の間に流れていた沈黙を破ったのは目黒だった。
「俺は、何があっても先生から離れない。先生と俺の関係をグチグチ言うやつなんてほっとけばいい。」
「…………。」
「俺は………、先生と幸せになりたい。」
なんで、こうも俺が欲しい言葉をくれるのか。
"先生と生徒" 絶対だめなのに。
手を出したらだめなのに。
「………俺も、目黒と、幸せになりたい。」
思いを抑えきれない俺は、最初っから目黒に落ちてたのかもしれない。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
