夏休みと補習 ページ19
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「…………は？」
「いや、だからめめお前補習だから。」
今、俺の目の前で繰り広げられているのは目黒とふっかさんの会話。
今回のテストは赤点ではなかった。
けど、前回のテストが悪すぎて結局補習になってしまった目黒。
でも、今回補習になったのは日本史のみ。
あべちゃんもそれには驚いてたし、感動していた。
「えぇ……、俺ちゃんと今回点数とったじゃん。」
「 "今回は" だろ。前、ひでぇ点数叩き出したヤツ誰だよ。」
「………それは何も言えねぇっす。」
ふっかさんに図星をつかれ目黒は観念した様子。
それを傍で見ていた俺とラウールは苦笑い。
「まぁ、めめしょうがないよ。だって前のテスト18点でしょ？」
「おい、ラウ。せんせの前で言うな。」
「いやいや、俺担任なんやからそんなもん知っとるわ。」
そう言うと目黒はまじか、とさらに落ち込んでしまった。
その目黒をラウールが「ドンマイ目黒くん」と励ましている様子はとても面白い。
「じゃあ、夏休み入ってすぐだからな。ちゃんと来いよ。」
「分かってますよ、ちゃんと来ますって。」
それから1週間後。
俺はこの高校に来て初めて夏休みを迎えた。
＿＿＿＿＿＿＿
学生と違って教師に夏休みなんて可愛いものはなく……。
俺は補習の担当はないが、仕事のために毎日学校に来る。
職員室で仕事をしているといきなりふっかさんに話しかけられた。
「ねぇ、康二。」
「んー？どうしたん、ふっかさん。」
「あの……さ、めっちゃ申し訳ないんだけど……、」
「？？？」
「めめの補習、ちょっと康二見てくんない？」
「………は？」
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
