本当の気持ち ページ16
ラウールside
今、いる所は職員室の前。
結局めめはギリッギリ赤点を全教科回避してドヤ顔で答案用紙を見せてきた。
といっても、生物と化学以外は半分以下だし……。
僕は怪しまれても嫌だから分からない所を聞きに行くフリをして来たから両手には教科書とノートがある。
「失礼しまーす………。」
そっと、静かに扉を開けると向井先生とあべちゃん先生とふっか先生が固まって話していて、僕が来たことに気づいていない。
「ねぇ、今回目黒どうしたの？赤点回避してんじゃん。」
「え、数学も？実は日本史も何だよね。康二、もしかして教えたの？」
「んえ？俺、教えたん理科だけやで？」
なんて、会話が聞こえてきて「めめが赤点じゃないのやっぱり不思議なんだ」なんて1人で納得。
「あれ、ラウールじゃん。どした？もしかして、この人に用？」
「あ、え、いや……。あぁ、阿部ちゃん先生に……」
「え？俺？」
そう、めめと先生に探りを入れてあげるって約束したけど「向井先生に」とは言ってない。
職員室に来るまでに考えに考えた結果、先生と仲良い阿部ちゃん先生に聞くことにしたんだ。
「うん。ちょっと数学で分からないところがあって……。」
「…………。じゃあ、生徒指導室なら空いてると思うからそこ行こっか。」
「え？ここで教えなよ。」
「いや、ふっかも康二も仕事残ってるし。てか2人とも聞いても絶対分かんないでしょ。」
そう阿部ちゃん先生はべーっとして2人に言うと僕に「ほら、ラウール行くよ」と言いスタスタ歩いて行く。
2人が「流石に分かるわ！」「俺らだって教師や！」と後ろで叫んでいるに苦笑いし、僕も阿部ちゃん先生を追いかけた。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年10月21日 20時
