＃４ ページ30
ht*side
小規模とはいえ、三師団という規模の人数。盗賊ぐらいならと鷹を括っていた。そんな甘さ故に、絶望へと叩きつけられる。
目の前の戦場に現れたのは盗賊なんてそんなレベルではない。人数は約六師団。設備、装備は軍人並。
此方にまともな武器など数発しか入ってない拳銃四、五丁程度しかないのに…皆、目から光が無くなっていた。どんなに勇気づけようとしても、立ち上がる気力を失った皆の前に、隊長が言い放った。
siba「＿＿＿＿逃げろ。」
ht「......え....？」
siba「きっとこの戦線に勝てなければ、このままあの軍は俺らの村に襲撃する。だったら今すぐ全力で村の奴らを連れて逃げろ。
ここは、俺が受けて立つ」
きっと彼は本気だろう。一人でこの戦場を収めるつもりだ。
尖った刃物を敵陣に向け、拳銃を肩に置く。
大きな背中はきっちりと胸を張って、震えなど微塵も感じさせない。まさに男の見本とも言える立ち姿。
街へ衛兵として行っていたからかもしれない。しかし、その姿に誰もが一筋の勇気を振り絞った。皆逃げようとせず、闘おうとしたんだ。
ある者は隊長の背中を守り、ある者は村への危険を知らせようと命懸けで村へと戻る。勇気を持った英雄達は勝利を収めた...
......俺一人を残して。
最悪の事態だって予想していた。だが、あまりに酷い現実に頭を抱えた。それでも、俺にはまだやる事がある。赤い水溜まりの地面を踏みしめ、村へと向かった。道中で倒れている仲間を拝んで。
村へ向かえば、いつもと変わらぬ姿があった。ふと、一安心して、少しの罪悪感を抱えて村の中心の井戸への方を見れば女子供が集まっていた。村の全員と言える人数の人間だった。
女は吐き捨てる。
何が兵役だ、騙しやがって！初めから令嬢と領主は手を組んでいた。そこへ隊長であるシバと副隊長であるお前が領主と手を組んで、嘘をついて男達を実験体にしたんだろ。手数料は小切手で領主の家に送られていた。酷すぎる、私の夫を帰せ、と。
何の話か、どういう事か、俺には何一つとして理解が難しかった。違うと声を上げれば、頭に石を投げつけられ、とても手に負えない事態。鬼や復讐してやるなど、皆憎悪に飲み込まれていた。あまりに酷すぎる現実。気がつけば、俺は逃げ出すように何処かへと駆け出していた。
それが＿＿＿＿俺、白い復讐鬼の始まりだった。
ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kurukuru ゾム好き - こちらこそ！今後も更新頑張ってください！ (2018年11月8日 22時) (
レス) id: dcccd734ca (このIDを非表示/違反報告)
srs(プロフ) - kurukuru ゾム好きさん» 喜んでもらえて良かったです！これからもよろしくお願いします！ (2018年11月6日 22時) (レス) id: ee8a11df9a (このIDを非表示/違反報告)
kurukuru ゾム好き - 爛漫だぁ！わーい！ (2018年11月6日 21時) (レス) id: dcccd734ca (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です。ルールを守りましょうね (2018年7月4日 17時) (レス) id: d0cee448a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：srs x他1人 | 作成日時：2018年7月4日 17時
