失敗作でもヒーローに (ページ4)

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それから月日がたち7歳になった。

相変わらず父親は私と焦凍を比べてくる。

勉強面、運動面、個性面。全てにおいて焦凍の方が上。

その度父親が失敗作だと馬鹿にしてくる。

この頃から焦凍と喋らなくなった。

いや父がそうした。

失敗作と焦凍は喋るな、てね。

.

そんな中私には新しい友達ができた。

無個性の出久くん。

少し遠い公園で特訓しようと思い、行った公園に出久くんがいた。

出久くんと友達になるのは早かった。

泣いてた彼に話しかけたら、

自分が無個性のこと

そのことで幼馴染に虐められてること

色々話してくれた。

だから私も初めて他人に喋った。

勿論、父親がNo.2ヒーローってのは隠したけど。

父親から軽蔑されてること

兄に比べられてること

個性のこと

失敗作だってこと。

笑って言った。

そしたら出久くんが｢なんで笑ってるの？｣って今にも泣きそうな顔で言ってきた。

理由は1つ。

母と燈矢兄が私の笑顔が好きだって言ってくれたから。

だからどんなに辛くても苦しくても私は笑ってる。

｢でも泣きたい時は泣いていいんだよ...？我慢する必要なんてないんだよ！！

Aちゃんの気持ち僕には分からない...でもすごく辛かったんだよね、頑張ったんだよね。

凄いよAちゃんは。

僕は幼馴染にいつもやられっぱなしでやり返せないし、怖くてやり返そうとも思わない...。

でもAちゃんは自分よりも強くて大きい人に立ち向かってるじゃないか！！

大丈夫！！

Aちゃんはヒーローになれる！！｣

1番言って欲しかった言葉。

1番聞きたかった言葉。

" ヒーローになれる！！ "

あぁ、君は私の " ヒーロー " だ。