よくよく考えれば分かる話 ページ3
よくよく考えれば分かる話だった。
そもそも、私の両親がこんな所にいるわけない。
……というか私がおぼろげにしか覚えてない両親の顔を見て親だとはっきり認識できる筈がないし。
それに、私の姿がこんなに幼くなっているんだから普通に考えて現実世界ではない。
「A?」
少しの間何も言わずに固まっていた私に両親は心配そうに声を掛けた。
ふるふると首を振り、父親を見上げる。
「お父さん、怪我……」
「大丈夫、このくらい大したことないさ」
「でも……」
「とりあえず追っ手が来る前に行きましょう」
その言葉とともに体がふわりと浮いたかと思うと、私は母親に抱かれていた。
嫌悪感はなく、心地よかった。
「ねぇ、なんで逃げてるの?」
私はきいてみるが、その答えが返ってくることはなく、その代わり、抱きしめられる力が少し強くなった気がした。
……どうしてこんな夢を見ているのか、さっぱり分からない。
夢を見る前の出来事を思い出そうとするけれど、全く思い出せない。
不安と焦りが込み上げてくる。
それでも、私はただ黙って抱かれていることしかできなかった。
……
…………
それから私達は今いた島のすぐ近くにある島へと移動した。
海岸沿いを暫く歩くと小さな村が見えてきた。
村に入るのかと思いきや、(また抱かれていた)私は地面に降ろされる。
「A」
「お母さん、何?……?」
私は小さなメモを渡された。
「いい?この村の近くに森があるのは分かるでしょう?Aはまだ小さいから大変かもしれないけど、その森の端を辿って村に行って欲しいの。この距離ならきっと一日もかからないうちにたどり着けるから。……そうして、森に一番近い場所にある小屋に住む『ゲデヒ』という人訪ねなさい」
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ほとげ - 白猫プロジェクトの小説が少ない中、自分にどストライクで当たるものでずっと繰り返し読んでいました!前から投稿を心待ちにしていますが、もう続きはないのでしょうか?だいぶ前のことなので今さらだと思いますが、是非今後の展開をみてみたいです!! (2021年1月10日 0時) (レス) id: 4220748b18 (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - 指摘ありがとうございます、すっかり忘れておりました( ̄▽ ̄;)申し訳ありません (2018年10月25日 8時) (レス) id: 9143c11970 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月25日 7時) (レス) id: 3a1aa74ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるはる | 作成日時:2018年10月25日 7時