【第五人格】クスリ漬けの少年【男主】

__22粒__ ページ24

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呆気なくみんな飛ばされちゃって僕はチェイスをすることなく残ってしまった。


あーあ、荘園に帰ったら黒い影達が僕に寄ってきて喚くんだろうなあ…やだやだ。


余った薬を無意識に飲んでイライラを無くす。


あと一つのめば体に支障が出る。


けどいいや、どうせ負け戦だしハッチに着くまでにきっと見つかって吊られちゃうしね…ひひっ。



僕は薬の効果が切れる前にもう1粒ゴクリと飲み込んだ。



効果は直ぐに出て頭を殴られるような痛みと不思議なほど気持ちいい快楽が押し寄せてきた。


ドロドロに溶けてしまいそう。


しばらく効果に浸っていると強い脱力感に襲われてその場に崩れてしまった。


まだ一撃も受けてないのにダウンした。



あーあ。運はつくづく僕に味方してくれないね。



クラクラする頭を手で押さえて口を押さえる。



吐き気と目眩、頭痛に強い幻覚、幻聴。


ダウン効果と薬の副作用、多分だけど精神的な事も合わさって最悪な状況に陥った。



「最低な人間だなぁお前。消えれば？」


「お前なんかに存在価値なんてないだろ」


「さっさと消えればいいのにね」


「ねぇいつもここから消えるの？」


「うわ、よくルーラを刺して平気な顔でいるよな」



荘園の人達が次々と現れては僕に言葉のナイフで刺してくる。



痛いなぁ…痛いなぁ…痛い痛い。




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