【第五人格】Unhappy diary game【ヒロアカ】 (ページ34)

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最終章_〆ページ34

〆〆

楽しかったはずの記憶は全て違和感がありどこか寂しい。

最近誰かに見られている気がして落ち着かない。

そう言えばジョセフさんからもらった荘園に住んでいた時の写真を貰った時に1枚だけ知らない少年が映っていた。

その写真は本を持っていて悲しそうに笑う綺麗な少年で気になって名前をみんなに聞いたけど「そんな人はいない」と言われてしまった。

一体彼は本当に荘園に住んでいたのだろうか。

ある日僕の机の上に置かれていた本。

その本には少年と青年が仲むずましく日々を過ごし最後に最悪な形で忘れ去られるという悲劇のストーリーの小説が書かれてあった。

少年の名前や青年の名前は書かれていない不思議な小説だった。

何故かとても懐かしく感じたけどきっと気の所為。

小説の結末は少年が青年を守って死に、少年は幽霊になって青年を見守るが青年は忘れ去り少年は自分自身を忘れ少年は消えてしまうという。

この小説を読み終える頃には変な視線も感じなくなった。

あの視線は一体……。

僕は不思議に思いながらもあの写真に写った少年を探そうとした。

だけどその写真をまた確認すると少年は写真から作家の仕事部屋だと思われる部屋の写真になっていた。

本に埋もれた少年は死んでいるかのようだった。

僕はこの少年に一目会いたいと願ったがそれは叶わぬ願いだった。

彼はもう存在しないと知ったのは次の年の春だった。

1人で身代わり人形に写真の少年を書いていた。

その時、一瞬だけ目の前にその少年がいた。

〈思い出さなくていい、そのまま何も思い出さないで…忘れて〉

そう小さく言っていた。

思わず｢A？｣といってしまった。

名前を知らないはずなのになんで…。

僕は思わず目を逸らした。

あの少年の名前はAであっている気がした。

美しい彼は泣いていた。

何故か僕も涙を流していた。

『さよ…な……ら』

そう僕に言うと彼は消えていった。

その瞬間僕は全てを思い出した。

僕はその場で泣き崩れた。

「ごめん…ごめんA」

彼はもう生者としても亡者としても存在していない。

悔やんでも帰ってこない。

色のない白黒の世界で僕は今日も生きる。

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