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煉獄「で、話を聞かせてもらおうか。」
『はい…』
煉獄「何故この時間に外にいる」
『……』
煉獄「俺は何回も言ったはずだ、夜は危険だと。」
『買い物に行ってたんです…昼間に行くと煉獄さんは任務帰りだろうと着いてくるでしょう?自分は煉獄さんに休んで欲しいので…だから煉獄さんが居ない夜に行こうと思って…』
煉獄「……」
『買い物の帰りにさっき一緒に居た子供に会ったんです。その子、鬼に迫られてて見逃すわけには行かなくて抱きかかえてここまで逃げて来たんです。……自分の浅はかな考えで夜に外出したことは謝ります。本当にすいません…。』
煉獄「…頭をあげなさい」
言われた通りにあげればさっきの真剣な顔とは違い
眉を下げて少し微笑んでいる彼が居た。
煉獄「怖かっただろう、よく頑張ったな」
『へっ……?』
頭を撫でられ思わず間抜けな声が出る
煉獄「Aが抱きかかえてここまで逃げていなかったらあの子はもしかしたらその場で亡くなっていたかもしれない。」
『…。』
煉獄「おいで」
手を広げたので素直に飛び込んだ
煉獄「本当によく頑張った。無事で安心した。」
少し余裕が無いのか抱きしめる力が一段と強かった。
あの後置いてきた荷物を取りに行き家に帰った。
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煉獄「俺はまだ見回りに行かないといけない」
『わかりました…気をつけてくださいね』
煉獄「あぁ!ちゃんと家の戸締りを確認してから寝るんだぞ」
『はい…』
煉獄「……?どうした?」
『ちゃんと帰ってきますか…?』
煉獄「もちろんだ!そこらの鬼にやられるような俺ではない!」
『はい…待ってます…』
煉獄「Aのことを考えるだけで俺は頑張れるんだ、ちゃんと無事に帰ってくる、安心するといい」
そう言って口付けをした。
煉獄「それじゃあ、行ってくるな!」
頭を撫でて、走り去っていく後ろ姿は
誰よりもかっこよかった。
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作者名:ちょこぺろ。 | 作成日時:2021年10月16日 14時