1200年の月夜と想い (ページ5)

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向井「月姫やったら、なんでこんな事するん？

味方やろ。」

『笑わせないで。私に仲間なんかいない。

1200年間ずっとこの時を待ってた。』

宮舘「もし、俺らに君が危害を加えたら君はお咎めを貰うことになる。」

『そうね。でも、それでいい。
私はあんた達を殺せれば、"消滅”を受け入れる。』

ラウ「呆れる。頭、おかしいんじゃない？

消滅したら、二度とこの世に生まれる事はできない。
怖くないの？」

『お前らを殺せるのならそれが本望だ。

それにあの世へ行こうなんて思っていない。
あまりにも多くの人間を殺してきた。』

彼女の声はせつなかった。
なんでさっきから、月姫に同情してしまうんだ？
彼女の傍にいたら、"抱きしめたい“と思ってしまう。

阿部「俺たち前世で……『伏せろ。』え？」

俺は突き飛ばされ、体をめめに支えられた。
後ろを振り返ると……。

阿部「何、あれ？」

『お前らが封じ込めてきた、悪霊だ。』

岩本「封じ込めてきた？待て、俺らはこの学校にバリアを張っただけ『それが問題点なんだよ。』…。」

『お前らは個々の力が強すぎる。
強すぎるが故に、ただの幽霊達を悪霊へと変えた。
人間達を助けようと思った親切心が招いた結果だ。』

ふっかが前に出て止めようと、能力を使っても歯が立たない。

深澤「クソっ！なんで…。」

『どけ。私がやる。』

ふっかの前に立ち塞がり、威圧だけで悪霊達を抑える。

『還れ。』

髪を結んでいた簪を持って、悪霊の前に立ち首元に刺した。
眩い光が照らす。
悪霊達は、光とともに消えていった。

向井「消滅したんか？」

『彼らはまだ人間達に危害を加えてない。

あるべき場所に還しただけ。』

深澤「なんで助けた。」

『直接、この手であんた達を殺すために生かしただけ。
勘違いしないで。』

＿＿＿＿別に助けたくて助けたわけじゃないから。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿これで貸し借りはなしよ。

君に出会って色々なことを思い出す。
反対方向へと歩いていく君を見て思った。
きっと俺達には……

＿＿＿＿＿修復できないほどの何かがあったという事を。