1200年の月夜と想い (ページ1)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:2,895 hit

はじまりページ1

神「おや、珍しいのう。お前さんから来るとは。」

『呼んだのはそっちでしょ。』

「そうだった」と言い、忘れてた素振りを見せる神。

神「お前の“罪”がもうじき終わる。」

『……。』

神「1200年間、人間問わず死者も助けた。

その功績が認められた。」

『そういうのは、天照大神から言われると思うんだけど。
あんたから、言うって事はまだ何かあるわけ？』

神「もう、あの者共を許したれ。お前自身も。」

『…断る。』

神「あの者共は、何も覚えとらん。前世のことも。

あの者共も、またお前と同じ罰を受けている。」

『覚えてないのに？一体、あいつらが何の罰を受けてるのよ？』

神「あの者共も、また人間界の死神として働いてる。
人にタヒを告げる任務だ。」

だからって何よ…

『私は、あいつらを許す気なんてない。

天照大神に言っといて。

私は消滅を望むと。』

消滅…。
二度と人間として生まれ変われないこと。
それでいい。
私はあの世へと行くことを望んでいるわけではない。
ただ、あの9人を苦しめたいだけ。
これが私の復讐だから。

今日も空を見ると、憎いほどの満月と大樹。
私を絶対に離さない。

『私はずっと"囚われの身”なのね。』

満月と大樹をバックにし、歩きだした。

「お帰りなさいませ、姫様。」

『そういうのやめてって前から言ってるんだけど。』

「そういう訳にはいきません。我々の家族は姫様にお命を助けてもらいました。」

今、私に話しかけてきたのは奏多。
可愛い顔立ちをしているけど、極度の天然。

『…好きにして。』

奏多「はい。
姫様。雪月学院大学高校の転校手続きが終わりました。」

『意外と遅かったわね。』

奏多「かなり手こずりました。
あそこの高校は、生徒会が主導権を握っていて先生達はそれに従っていると。」

『面白い高校ね(笑)』

奏多「その生徒会なのですが、姫様が探しているあの9人でした。」

奏多の言葉を聞いた瞬間、一気に憎悪が湧いた。

『いつから、登校できる？』

奏多「明日からでも大丈夫です。
しかし、問題が…。」

『何？』