・ ページ6
葵の言葉は間違ってない。
睨んだところで、私も責められない。
『そうね。私も結局、あんたと同じことした。
強く言えないわ。』
葵 「悪かった。今更だけど、後悔してる。」
『謝らないで。私たち、終わったの。
もう、他人なんだから。』
席を立って、葵から逃げるように足早に後にした。
仕事に戻ろうとした時、またもや「おい」と声をかけられた。
『なんですか？』
渡辺 「走るな。お腹の子に悪いだろ。」
なんで、こういう時…人が憂鬱な時にこの人と会うんだろって今思う。
『走ってません。早歩きです。』
渡辺 「変わんねぇよ。」
『お気遣いありがとうございます。では！』
渡辺 「ちょ、待てよ。」
腕を掴まれて、嫌でも顔を見るはめになった。
『( ･᷄ὢ･᷅ )』
渡辺 「睨んでじゃねぇーよ。話がある。」
『言いましたよね？援助は「俺にも責任はある。」 え？』
渡辺 「援助なんかいらないとかいうけど、これから先色々なことにお金がかかる。
体調だって、いい日もあれば悪い日もある。
1人じゃ、できないこともある。
だから、子どもが産まれるまで、俺を頼れ。」
ポケットから、紙を取り出してそれを私に握らせた。
「じゃあ。」って言って颯爽に去っていった。
紙を開くと、直筆で渡辺先生の連絡先が書いてあった。
『なんで、優しくするの？』
答えてくれない紙に問いかけても返事なんかないのに。
紙をカバンの奥底にしまって、仕事へと戻った。
その様子を見られてるとは知らずに…
報告をした後、同僚だけならまだしも、仲のいい医療従事者達にも知れ渡り、しまいには……
「Aちゃん、お仕事やめるの？」
担当患者さんである、丸山 沙奈ちゃんに知られていた。
『やめないよ。赤ちゃん産まれるまで、まだ時間はあるし、産んでからも帰ってくるから、やめないよ。^^』
沙奈「でも、ママになるんでしょ？嫌だ！！」
沙奈ママ 「沙奈！すみません、沙奈、Aさんに懐いちゃって…。」
『大丈夫ですよ^^ ママになっても、沙奈ちゃんも大切だよ。』
沙奈 「ほんと？」
『ほんとだよ。嘘ついたことある？』
首を横に振って「ない」と言ってくれた。
沙奈 「パパは、どんな人？」
沙奈ちゃんは、どうして痛いところをつくのかなって思いながら、必死に答えを探して…
『沙奈ちゃんの知らない人だよ。』
そう答えることしか出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yui(プロフ) - あんずさん» 更新が遅れてすみません。仕事をしているので、遅れてしまいました。この先、遅れる可能性がありますのでご了承ください。待っててくれてありがとうございます。 (2023年2月25日 21時) (
レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみにしてます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。今日も更新しますので楽しみ待っててもらえたら嬉しいです。 (2023年2月20日 12時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみに待ってました。これからも、楽しみに待っています。 (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Yui | 作成日時：2023年1月6日 0時
