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渡辺「……っ。」
真壁「女はそんな簡単に切り替えることはできない。
宿した子は、"その子“しかいない。
代わりなんていないのよ。」
涙ながらに語ってくれた真壁さん。
そんな気持ちがあるなんて知らなかった。
それを俺は……。
渡辺「最低っすね…俺。」
俺の肩をトントンして、Aの頭を優しく撫でた。
真壁「Aちゃん、頑張って。渡辺に伝えなきゃいけないことあるでしょ?
今の渡辺だったら聞いてくれるから。大丈夫よ。
じゃあ、帰るわ。」
病室から真壁さんが出ていき、2人だけの空間になった。
時間がどれぐらい経ったかなんてわからない。
気づけば朝になっていて、出勤する時間になっていた。
名残惜しいけど、仕事には穴は空けることができないから、仕事をした。
いつもだったら、眠たいはずなのに全然眠くない。
それが1週間続いた。
1週間後、いつものように病室に訪れてはAの看病をしていた。
さすがに、1週間寝てなく、俺の体は限界を迎えてベッドの脇で眠りについた。
『しょ…た?』
微かに聞こえた声。
夢でも見てるのかって思ったけど、声を聞いてAだと思った。
渡辺「A!」
眠気なんか吹っ飛んで、Aの方を見た。
『しょう…た。』
俺の方に顔を向けて、俺の名前を何度も呼ぶA。
渡辺「よかった。」
『あか…ちゃ…ん…は。』
渡辺「…っ。無事だ。」
『おこ…っ…て…る?』
渡辺「怒ってない。」
怒りという感情なんかなかった。
Aが目覚めてくれたことが嬉しかったから。
手を強く握り、Aに伝えたかったことを話す。
渡辺「A。ごめん。俺、お前の気持ち全然考えていなかった。
あの時、自分の事しか考えていなかった。
それでもお前を失いたくなかった。
真壁さんからも、説教された。
Aの中に宿っている子はその子しかいない。代わりなんていないって。教えてもらったんだ。
女と男は違うって言うけど、本当にそうだと思った。
俺が甘いっていうことは重々わかってる。
けど、俺と"生きていく
俺の言葉が足りなくて、Aを傷つけてごめん。
意地張って連絡しなくてごめん。
自分のことばかりで……ごめんなさい。」
人前では泣かないって決めてたのに泣いた。
Aは俺の頬に手を伸ばして俺の涙を拭いながら「ごめん」と謝った。
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Yui(プロフ) - あんずさん» 更新が遅れてすみません。仕事をしているので、遅れてしまいました。この先、遅れる可能性がありますのでご了承ください。待っててくれてありがとうございます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみにしてます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。今日も更新しますので楽しみ待っててもらえたら嬉しいです。 (2023年2月20日 12時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみに待ってました。これからも、楽しみに待っています。 (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yui | 作成日時:2023年1月6日 0時