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後悔 ページ34

実家に帰って来て、母に早速お遣いを頼まれた。
人遣いが荒いなって思いながら、気分転換がてら遠回りして帰ろうと思った。

その時に、見てけてしまったんだ。
翔太を。
別れて二度と会わないと思っていた翔太に会ってしまった。
向こうは、私のことに気づいていない。
一緒にいる女の人はものすごく綺麗。
元から住んでいる世界が違うんだと思い知らされた。
帰ろうと思った時、綺麗な人が翔太にキスをした瞬間を見てしまった。



胸が締め付けられた。
すごく痛かった。
思ってしまった、どうして早く翔太に言わなかったんだろうって後悔をした。
翔太から逃げる形で私は自ら辛い選択をした。
女の人と別れて、翔太は辺りを見回すように見ていた。


(ここにいるんだよ。)


心の中で出した声は、届くことなく翔太は気づくことなく帰って行った。
周囲の人から変な目で見られていたけど、気にもせず家に帰るまで泣いた。



『……ただいま。』


家に帰る頃には、涙は止まっていてどっと疲れた。


母「お帰り!大丈夫だった?」


『うん。大丈夫だよ。心配しすぎ……。』


お母さんがこっちに来て、下げていた顔を優しく包み込むようにあげた。


母「泣いている理由教えて?」


ダメだな。29にもなって親の前で泣くなんて。


『っ…。会いたかったけど、会いたくなくて、でも会いたかった人を見つけて。』


母「それって、お腹の子のパパ?」


首を縦に頷いた。


母「その人がどうしたの?」


『……綺麗な女の人と一緒にいて、その人とキスしてるの見て……。ううっ…。』


母「そっか。Aは、いい子だね。」


『何が?』


母「赤ちゃんの為に、自分の気持ち押し殺したんでしょ?

人間って、そんな簡単に愛しい人を手放せないのよ。
Aと彼氏さんとの間に何があったのか分からないけど、素直に相手の事を包み隠さず好きだって言えることもお母さん素敵だと思う。」


『私、後悔してるの。

どうして、好きになっちゃんだろう。

こんなに苦しくなるなら、出会わなければよかった。』


母「そうね、お母さんも昔、同じ事思ったわ。」


『どういう事?』


母「お母さんね、1回お父さんと別れたのよ。

Aがお腹に入った時に。」


母の過去は、私と同じようなものだった。


母「本当はね、この話死ぬまで墓場に持っていくつもりだったけど…

今のAに聞いてほしいから話すね。」


母の真剣な眼差しから目を離せなかった。

母と私→←忘れられない人 S.W side



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設定タグ:渡辺翔太 , 恋愛 , 子ども   
作品ジャンル:恋愛
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Yui(プロフ) - あんずさん» 更新が遅れてすみません。仕事をしているので、遅れてしまいました。この先、遅れる可能性がありますのでご了承ください。待っててくれてありがとうございます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみにしてます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。今日も更新しますので楽しみ待っててもらえたら嬉しいです。 (2023年2月20日 12時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみに待ってました。これからも、楽しみに待っています。 (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yui | 作成日時:2023年1月6日 0時

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