忘れられない人 S.W side ページ33
待ち合わせの場所のカフェに着き、花宮が座っている場所が見えた。
花宮は俺を見つけると、笑顔で手を振った。
花宮「久しぶり、渡辺くん。」
渡辺「……おう。」
花宮「コーヒーでいい?」
渡辺「おう。」
店員さんにコーヒーを頼んでくれた。
渡辺「話って、何?」
花宮「急に本題にいくの?笑」
無関心な思いが顔に出ていたのか、花宮が寂しい顔をした。
花宮「……変わらないね、渡辺くんは…。」
渡辺「俺は、あの時のままだよ。
すまない、今もお前の気持ちには答えられない。」
花宮「っ……。知ってる。だから、最後に抗ってみただけなの。
私ね、結婚するの。」
渡辺「おめでとう。」
花宮「そう言うと思った。
最初は、渡辺くんを忘れる為に彼と付き合った。
もちろん、今は彼を愛してるし、心から結婚したいと思っているの。 」
渡辺「俺に会いに来たのって…。」
花宮「渡辺くんの気持ちが私に向いてくれたらなって。」
渡辺「ごめん、あの時も言葉にしなくて。
俺、花宮のこと女として意識したことがない。
曖昧にしててごめん。」
花宮の目から涙がこぼれた。
笑顔で「ありがとう。」って言った。
コーヒーを飲んで、カフェを花宮と2人で出た。
宿泊しているホテルが近かいらしく、最後の思い出で送っていてほしいと言われ、送っていった。
渡辺「じゃあ、俺はここで。気をつけろよ。」
後ろから腕をひかれて、反射的に振り返ることになり、花宮の顔が近づき、そのまま唇にふにっとした感触があった。
キスされた…。
急いで身体を離した。
渡辺「やめてくれ。こういうの迷惑。」
花宮「ごめんなさい。
でも、これで諦められる。最後に、嫌な思いさせてごめんなさい。
さようなら。」
花宮はホテルの中に入って行った。
帰ろうとした時、ふと視線を感じた。
辺りを見回すけど、誰もいなかった。
渡辺「気のせいか。」
Aだったらいいのにと思った。
俺は、花宮とは違う。
花宮は俺を忘れるために努力したって言ったけど、俺は絶対にできない。
それだけ、一途に思い続けてきた。
スマホを見ても、連絡は全くない。
かといって、俺からいけるほど俺は勇気がない。
渡辺「ごめん、もう少しだけ時間をくれ。」
返事がないAの連絡先を開いて、謝った。
俺はこの時、自らの行動に個再び後悔する日がくるなんて思わず、連絡先を閉じた。
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Yui(プロフ) - あんずさん» 更新が遅れてすみません。仕事をしているので、遅れてしまいました。この先、遅れる可能性がありますのでご了承ください。待っててくれてありがとうございます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみにしてます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。今日も更新しますので楽しみ待っててもらえたら嬉しいです。 (2023年2月20日 12時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみに待ってました。これからも、楽しみに待っています。 (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yui | 作成日時:2023年1月6日 0時