元彼と私と彼 S.W side ページ14
渡辺「そうだよな、じゃなきゃあいつに縋(すが)らないよな？」
俺が掴んでいた情報は正しかったらしい。
動揺してやがる。
葵 「なんでそれを…。」
渡辺「医者の情報網舐めんな。
あいつの実家、超お金持ちっていうわけじゃないけど、それなりに裕福な家庭だ。
お前そこに漬け込んだろ。この間の女も、どこかの令嬢らしいし。
金に困ってんなら、あいつに頼んな。
自分でなんとかすれ。」
葵「お前に何がわかんだよ！」
渡辺「わかんねぇよ。ってか、わかりたくねぇよ。お前なんか。」
元彼さんに近づき、胸ぐらを掴んだ。
渡辺「Aに、手出したら俺が許さねぇから。」
葵「手出さなきゃいいんだろ？」
ニヤッとした元彼に、腹が立った。
こいつ…根が腐ってやがる。
渡辺「お前、一生飯食わせないようにしてやろうか？
葵「………。」
俺の腕を振り払って、逃げるように去って行った。
胸くそ悪さを感じながらも、仕事に戻った。
医局室に入ろうとした時、聞きなれた声が聞こえた。
『今、やっとつわりが終わったところですよ。』
Aだ。間違いない。
医者1「なんか、本当にママになっちゃうんだな…。」
医者2「何でこうもいい人がママになるんだぁーー!!」
『先生達うるさいです。』
ごもっともだ。
アイツら。
渡辺「おい、サボってんじゃねぇよ。仕事に戻れ。」
今帰ってきたかのように医局室に入ると、Aは俺の顔を見ては見ないように背けた。
「こっちは悪魔だし。」と後輩の声が聞こえた。
渡辺「おい、聞こえてんだよ。さっさと仕事しろ。」
やれ「鬼」「優しくない」など声が聞こえるがそんなのも気にすることができないくらい俺の頭の中はAでいっぱいだ。
『じゃあ、失礼します。』
一礼して帰っていくあいつを見て、すぐ追いかけた。
医者1「先輩？どこ行くんすか？」
渡辺「担当患者の回診。」
嘘をついて、スタスタ歩くAを追いかけ、何も言わず腕を掴んだ。
『離してください、嫌です！』
そんな声にも構わず、今は使われていない部屋に入り、逃げられないように壁際に追い込んだ。
渡辺「こっち見ろ。」
ずっと目を伏せたまま、見ようとしないから、焦れったくなってAの顔を壊れ物を扱うかように優しく触れた。
久しぶりに触れた温もり。あの夜以来の温もりに興奮していると俺の手の甲に水が落ちた。
『…優しく…しないでくだ…さい。』
気づいたらぎゅっと抱きしめていた。
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Yui(プロフ) - あんずさん» 更新が遅れてすみません。仕事をしているので、遅れてしまいました。この先、遅れる可能性がありますのでご了承ください。待っててくれてありがとうございます。 (2023年2月25日 21時) (
レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみにしてます。 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます。今日も更新しますので楽しみ待っててもらえたら嬉しいです。 (2023年2月20日 12時) (レス) id: b7301d55da (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 更新楽しみに待ってました。これからも、楽しみに待っています。 (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 73e073c47a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yui | 作成日時：2023年1月6日 0時
