【3年A組】mind voice 3

ひゃくに ページ6

3月6日



教卓の付近で何やらせんせーと西崎、堀部がヒーローの話で盛り上がっている




男子も数人集まってずいぶん賑やかで平和的だ。





・







昨日携帯も返却された自分のものと景山澪奈の携帯の二台を見つめながらため息をつく。







薬の量を増やさないと効き目が遅いように感じる。







『(もう6日…ずーっとスイッチを切ることなくいなきゃいけないからかな。)』





アタシは寝る時も周りの人がいると深い眠りにはつけないし、日中は“みんなのスズちゃん”でいなきゃいけない。


一刻も気を緩めることはできない。







それに比べ…せんせーの方は随分と余裕ができたみたい。


生徒もせんせーに協力し、体調のことも下手に隠し通さなくていいからね。








分が悪すぎる。




まだ、せんせーによる恐怖支配の方が動きやすかった。








柊「そろそろ席に着こうか。」









嗚呼、苦痛だ。









柊「はい、起立！

今日も俺の授業を始める、礼。



着席。」








今日も、はじまる。






・






アタシたちが着席すると、
せんせーは携帯の画面のこちらに向けて聞く。






柊「今朝、これをSNSに投稿したのは誰だ。」





マイボイの投稿。


『(あー、みたようなみてないような…)』







【投稿者 みんなのみゃーちゃん：先生に騙されたw】





添付画像には段ボールに入った手足の模型。





確かに急上昇に上がってた気がする。


せんせーからしたら困る投稿だろうが、アタシが消してやる義理はないから放置してやったが。








柊「結城。指示を出すまではSNSに投稿するなと言ったはずだ。」






小さく手を挙げている結城に向かってせんせーは冷たい視線を浴びせた。








結「でもすっごいフォロワー増えま、

「そういう問題じゃない。」



……すいません。」








『(ほんっと脳内お花畑女ね。)』



.









せんせーが眼鏡を外す。









『(あ、…)』


茅「……眼鏡外した…。」









柊「さあ盛り上がっていこうかぁー！！！」

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