10話 ページ10
孤爪side
ーーーなんかさ、先輩って偉いものじゃなくて
敬うものだと思うんだよね
ーーー研磨は自分を嫌ってる後輩を好きになれる?
確かに…と、思ってしまった。
ーーー俺らは研磨の凄さを知ってる。
…でも、付き合いの長い俺や、
仲のいい海達ならともかく先輩には伝われねぇ…
孤「(この人、上手だ……)」
ーーー黒「バレーしたら仲良くなれんだろ。」
クロのテキトーも案外当たるのかもしれない。
先輩は好きじゃなかった。
でもそれは、先輩っていう概念が嫌いなだけで
その人自身を嫌いではなかった。
…知ろうとしてなかった。
対人パスが終わった後、佐藤さんがこっそり話しかけてきた。
「青木さんはパスめっちゃ丁寧でしょ?」
孤「…こうなる事わかってたんだ。」
「ふふっ、まぁね!」
誇らしげに笑う彼女に何だか恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
…熱血は嫌いだ。
でも何かを成し遂げることは嫌いじゃないし
新しいことも好き。
佐藤さんといると何だか視野が広がる気がする
…こういうのも案外いいかもしれない。
先輩「おい、孤爪!いつまで休憩してんだ!」
孤「!!」
ボーとしてたからか、いつの間にか佐藤さんは女バレの練習に戻っていて
孤「(…俺だけ怒られた。)」
「…ふふ、」
でもこちらを見て笑っている佐藤さんを見て
悪い気分じゃなかったりする。
孤「けど、クロがニヤニヤしてんのは腹立つ」
黒「お前、年々俺の扱いひどくなってねぇか」
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作者名:カナデ | 作成日時:2019年10月27日 17時