第 5 0 話 ページ9
_Aside_
柊家からの呼び出し…。
シ「Aさん…」
シノアが静かに俺を呼ぶ。
シ「柊家の人間は怖い人ばかりなので、気をつけてくださいね」
俺は頷き、資料室を出た。
.
外に出るとグレンがいた。
グ「ご本家様の呼び出しにプルプル尻尾振って駆けつけるってわけか」
な、なんか言い方悪いな…
『もしかして、お前。中枢軍と仲良くないのか?』
グレンは何も言わない。
グ「なぁ…A。」
『あ? なんだよ…』
グ「お前を助けたのは俺だ。」
『知ってるけど…』
グ「おまけに生きる方法や剣の使い方も教えてやった。
恩を感じてるなら、今日返せ。俺のものだ、俺の派閥だ。だから柊家に尻尾を振るな」
あぁ…なるほどね……
『俺は人間同士の争いには興味ねぇよ…』
俺がそう言うと、グレンが挑発的な笑みを浮かべた。
グ「黙れガキ。お前が興味なくても世界はそうして回っ……」
『ンな心配いらねぇんだよ…。俺はもう、絶対に仲間を見捨てたり裏切ったりしない!!』
グ「ッ?!…ふぅん…」
_一号執務室前
俺が指定された場所に行くと、そこから三葉がでてきた。
なんだ、こいつも呼ばれてたのか。
三「お前も呼ばれていたのか。」
俺に気づいた三葉が近寄ってくる。
三「私は、昇進の話を聞いた…」
『おう。いい事じゃねぇか』
三「 ?! ちょっと、少しは突っ込め!」
な、なんでだ?
三「私は、私は…弱い。なのに私だけ出世する。名門、三宮家というだけで…。それを、笑うなら…笑うなら…」
『お前が何泣きそうになってんのかは分かんねえけど、あんま気負うな。』
三「お前に何が分かるんだ!!ミスで仲間が死んでもお咎めなし!役に立たないのに出世!優秀な姉様と違って二流だって皆が私を笑ってることくらいは…」
こいつにも、色々あるんだな……。
でも、俺は…俺は…
『三葉……。俺は、笑ってない。いいじゃん出世。チームの仲間が出世してなんか悪いことってあんの?』
三「はっ…。馬鹿と話すと、小さな事で悩んでるのが馬鹿らしいな…」
小さな事…悩んでいること……。
『三葉…。俺は家族を取り戻したい。いや、取り戻す!!』
俺がそう言うと、三葉は真剣な表情になった。
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作者名:ホットミルク | 作成日時:2018年5月24日 0時