【終わセラ】二人の吸血鬼_ｾﾗﾌ_と一人の人間_ｾﾗﾌ_ 《３》【男主】 (ページ8)

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第４９話ページ8

＿Aside＿

『(仲間は皆、生きていた。そして優とミカも生きていた。なんだそれ…。いいことばっかりじゃん…。)』

俺は、ワイワイと話している新しい家族を見る。

『(でも、生きていたのならこっちのものだ。優、ミカ……必ず俺がお前たちを…)』

＿サングィネム

＿優、ミカside＿

優/ミ「俺/僕達が必ずA/ちゃんを……」

『「救う」』

＿とある場所

フェ「いや～しかし…笑えるほど順調に来てるよね。相変わらず暴走していく人間の欲望にすべてを侮る吸血鬼たちの傲慢さ……。そうは思わない？」

フェリドが暗闇で独り言をぼやく。

フェ「僕の楽しいパートナー君。はいこれ、こっちの研究資料」

どうやら彼は一人では無かったみたいだ。

側にいたもう一つの人影に何かの資料を渡す。

＿呪術資料室

＿Aside＿

俺は優とミカが吸血鬼となり生きているということが分かり、今は資料室で吸血鬼を人間に戻す方法を調べている。

シ「こんな所にいたんですか。絶対安静と言われたの忘れてませんよね？」

『絶対安静が長いんだよ。それに鬼呪装備は傷の治りを早めるんだから、もう大丈夫だって。傷が治ってるのに何にもしねぇってのが面倒くさいし…。』

本を漁りながら、シノアの方を見らずに答えた。

シ「それは本来、医者が決めることですよ…。それに………(Aさんが昏睡した理由は、帝鬼軍の汚い人体実験によるものですし…)」

シノアが言葉を濁す。

『何だよ…』

シ「いえ、何でもありません。それよりも優さんとミカさんを人間に戻したいんですか？」

シノアの言葉に俺は大きく頷く。

シ「私が持っている情報でよければお話ししますよ？」

『頼む！！』

そして俺はシノアから、吸血鬼は増えることを嫌うという事、
貴族の吸血鬼にしか『人間を吸血鬼に変える権限』が与えられていない事、
吸血鬼の強さは生きた年数と主の能力がかなり色濃く反映される事を教えてもらった。

シ「お二人のあの強さ…。おそらくかなり高位な貴族の血を与えられたのでしょう…。」

『高位な貴族……。』

俺が知っているのは、フェリドと、あの新宿であった奴だけだな…。

シ「で？また醜い吸血鬼を皆殺しにするんですか？」

シノアの言葉に俺は首を横に振る。
優とミカが生きていたなら、やることはそれではない…。

俺がそう考えていると、柊家が俺を呼び出している放送が聞こえた。