第 4 8 話 ページ7
_Aside_
与「A君の家族だって言う人達は、吸血鬼に連れていかれたけれど、きちんと無事だったよ!」
それを聞いて、俺の目からいつの間にか涙が溢れていた。
『そ、そうか…。あいつら生きてたんだ…。本当に良かった……。』
俺の嗚咽が響く部屋に
シ「えっと〜…泣き虫君の部屋はここですか〜? 顔がぐしゃぐしゃですよ〜?」
馬鹿にしたようなシノアの声が聞こえた。
『え……いや、これは…そんなんじゃ…。』
シ「あはは、いいですよ別に。そりゃ泣くでしょう。家族が生きてたんですから」
シノアの言葉に俺はまた涙が出そうになるが、なんとか抑える。それよりも……
『結局、戦いはどうなったんだ?…俺、記憶が無いんだけど……』
シ「Aさんは突然気絶しました。部隊は壊滅の危機…ですが援軍が来たんです。柊暮人中将及び、柊深夜少将が率いる渋谷本隊が」
シノアは俺を見ながら、言葉を続ける
シ「貴族を除く一般吸血鬼は殺せました。数匹は捕獲も出来ました。ですが、優さんとミカさんは…
お二人は最後まであなたの心配をして……ですが吸血鬼に連れ去られました」
『そうか…。分かった、ありがとう。』
シ「かといって病院を脱走して、一人で吸血鬼の都市に乗り込んだりしないでくださいね」
『今はあいつらが生きてるのがわかっただけで十分だ…。シノア、心配してくれてありがとう』
俺がシノアにそう言うと、シノアは顔を逸らした。その時、シノアの首元に噛み跡が見えた。
あの時のやつか……
『シノア…。この傷大丈夫か?この前のやつだろ?』
俺はシノアの首元に手を伸ばす。
なかなか喋らないシノアを見ると、顔を赤くしていた。何でだ?
シ「…あ、ああ〜それのことですか。ええと、はい…ちょっと血を吸われただけなので…」
三「おい馬鹿A! やっと目を覚ましたのか!」
君「起きるのが遅いんだよ!!」
あ、三葉と君月と与一…。
あいつらも少しだけど噛み跡があるな…
『ありがと…心配かけた。あと全員生き残ってよかった。俺は仲間に恵まれてるな』
俺が思っていることを素直に言葉にすると…
皆、驚いていた。
君月なんか、情けなく口が開いてる…w
君「おいおい、これまだ治療がいるだろ?」
三「あきらかに頭を打ってるな」
与「いやいや。最初からいい子だったよ?」
シ「いい子ちゃんアピールやめてほしいですよねぇ」
こ、こいつらぁ……
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作者名:ホットミルク | 作成日時:2018年5月24日 0時