LC 18-7 ページ37
パンドラ。その名にピクリと反応する。
｢ぐっ…不敬であるぞ。聖闘士ども！このハーデス城にズカズカと入り込んで！！｣
｢うるさいぞ女。俺の針に刺されてぇの？｣
キラリと針を心臓につく真似をしてカルディアは、パンドラを脅した。
パンドラは怯まずキッと睨み返す。
｢パンドラは、常に冥王の側で冥王軍を統括する女だ。パンドラよ。ハーデスはどこにいる？｣
師は、パンドラを知っている様子だった。
"常に"ということは、前聖戦においてもその存在がいたということ。
確かに、パンドラならばハーデスと共にいた可能性が高いが…
この様子からして共にいたとは考えにくい気がした。
｢…っ！ハーデス様の居場所を易々と教える訳がなかろうっ！｣
｢ならば仕方がない。ワシらで勝手に捜させてもらうぞ。シオン、童虎。お前達はパンドラを監視し、後ろからついて来い。｣
｢｢はい。｣｣
｢デジェル。お前はどこにハーデスはいると思っている？｣
師がデジェルに聞くと
｢気になる所はあります。＿＿そこだけ風の流れが違う場所が。｣
｢フム。ではそこにハーデスはいるかもしれんな。｣
パンドラが少し身を振るわせた。
向かっているその場所は、ハーデスと関係のある部屋なのかも知れない。
私達はパンドラを逃がさぬよう警戒しながら後ろを歩いた。
｢ここです。｣
重々しい大きな扉の前に立ち止まったデジェルが言う。
下から微かに風が漏れ出ている。確かにここだけは風の流れが違っている。
｢警戒はしておけ。何が起こるかわからん。｣
師の声にぐっと身を引き締める。
デジェルとカルディアが扉の前に立ち、手で思い切り開けた。
ﾊﾞﾝｯ！！
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作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
