今日:13 hit、昨日:17 hit、合計:2,772 hit
小｜中｜大
｢良い様だな。先ほどの威勢の良い様が嘘のよう。｣
｢…なにを…した…？｣
ﾋｭｰﾋｭｰと息をしながら、問い掛ける。
｢私は何も？｣
｢だから…｣
｢＿＿黙れ。｣
低い唸っただけの声に心臓が凍りつく。
ﾋｭｯと短い音が辛うじて出た。
背中も手も汗でびしょびしょになっていく。
＿＿ここまでヒュプノスは恐ろしいと感じていたか？
LC 17-7 ページ30
ヒュプノスは、すっと手を俺の胸倉へ伸ばした
『触るなっ』
ヒュプノスは俺の言うことを聞かず掴むと、俺を持ち上げた。
｢…触るなだと。このような汚らわしいもの触れただけで虫酸が走る。｣
上に掲げた手をパッと離た。
俺は身体に力が入らないのか、へたりと地面に座り込む。そのせいで首に強い衝撃を感じた。
痛みに耐えながら、首を上に動かす。
｢良い様だな。先ほどの威勢の良い様が嘘のよう。｣
｢…なにを…した…？｣
ﾋｭｰﾋｭｰと息をしながら、問い掛ける。
｢私は何も？｣
｢だから…｣
｢＿＿黙れ。｣
低い唸っただけの声に心臓が凍りつく。
ﾋｭｯと短い音が辛うじて出た。
背中も手も汗でびしょびしょになっていく。
＿＿ここまでヒュプノスは恐ろしいと感じていたか？
今になってヒュプノスが恐ろしく感じるこの事実に、動揺が隠しきれなくなる。
｢ハーデス様が直々に手をお下しになった。ならば私は何もするまい。｣
｢お前はそこで力尽きる運命よ。さらばだ。もう二度とお前のような者に会うことはないだろう。｣
ヒュプノスはそれだけを言って闇の中へ消えていった。
パタンと音がして出ていくと、自身がこの果てしない闇に一人居ることを急に悟った。
すると、声にならない底知れぬ絶望と悲しみが一斉に襲い掛かってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
