LC 16-2 ページ18
息を呑んだ。
だって放たれた言葉は、私の真意を突くような解答だったから。
｢ﾌﾝ…それで？余がハーデスとなった今、その愛情とやらも無意味だったな｣
この言葉にシジフォスは、私の代弁をするかのように拳を強く握って弓を引いて
一直線に放った
「いいや、ハーデス。アテナ様の愛は我らにとって常に……希望だ！！｣
｢馬鹿め。放たれるべきは己の心臓よ！｣
＿＿直感だった。今、手を突き出し放ったのはシジフォスへの怒りだ…と。
誠に人間らしい行動だと思った。
ﾄﾝｯ…
刹那。
軽い音をたてて、矢はシジフォスの胸へと突き刺さす音に我に返る。
｢シジフォス！！」
シジフォスはヒザをついていた。
神の一撃は、魂そのものを傷つける。
この一撃はシジフォスの魂に直接的にダメージを与えた。
｢…ハーデス……」
｢ハーデス！！」
ﾄﾞﾝｯ！！
＿＿兄さんはここにはいない
私は怒りを力強い声で出し、回復した小宇宙をニケに集中させた。
その姿に満足そうにするハーデス。
｢…ああ。やっと戦女神らしくなったな」
ハーデスは、ニヤリと口を歪め聖戦の幕開けを宣言した。
その瞬間。私とハーデスの間から空気を引き裂くように戻ってきたのは、冥界から帰った天馬だった。
冥闘士を封じる数珠を持ってやってきた姿になんだか頼もしさを感じる。
さすがに、ハーデスは知っていたらしい。
天馬と挨拶を交わす。
＿＿待ちくたびれたよ。天馬
天馬は明るい声で答えた。
｢悪かったな、アローン。約束通り……｣
｢お前をぶん殴りに来たぜ！！」
天馬は、ハーデスが召喚したケルベロスを倒そうと技を放つ。
ありがとう。天馬。時間稼ぎは十分です…！
私はニケを地にトンッと着ける。
するとハーデスは、地に足をつけた。いや、着けなければならなくなった。
｢かかったな！！アテナの護符によるタリスマンケージに！！｣
教皇の言葉に睨みつけるハーデス。
心なしか、何かに怯える様子にも見えた。
｢ここは魔塔封印の地。108の魔星を封じる塔。ハーデス！その魂ここに封印さてせいただきます。アテナ様｣
｢これで終わりです。ハーデス！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
