LC 15-1 ページ14
＿＿ハーデス城一室 アトリエ部屋
ハーデス城へ戻った俺は新しい服に着替えさせられて、フラッと椅子に座った。
パンドラの件は思ったより熱く感情的になってしまった。
この身体は俺のものじゃないのだから大切にしないと…。
パンドラ…あの様子からして何をしでかすかわかったものではない。
アテナの件についてもだ。目上のものが居る前で、自身の目的を優先した行動…
ここは一つ
＿＿ご苦労だ。輝火
＿＿身に余る光栄です。なんでございましょう？
＿＿今から、しばらくは天馬の元へ行ってこい。パンドラはおそらく
＿＿…助けろ。ということでしょうか
＿＿いや？天馬を見張るだけでいい。後は好きにしていいぞ。天馬を倒すことになるならそれは僕がいいんだ。
＿＿承知致しました。
＿＿もし本当に刺客が来た時は、報告しろ。そして、万一ハーデス城に何かでも起きた時を除いて帰ることは許さない。
＿＿それはっ！
＿＿心配か？僕は今で通りに過ごすだけだ。もちろん、こちらから呼ぶときはどうであれ来てもらうぞ
＿＿はっ！お呼び頂ければ、どのような手段でも必ずお迎えに上がります。
＿＿今の言葉しかと受け取った。命令だ。行け
輝火は、俺の前に一度姿を表すと羽を広げ聖域の方向へ飛び立った。
飛んでいった空を眺めていると突如として身体がずっしりと重たくなった。
これは、この身体が疲れている証拠であった。
まぶたが重くなり、俺は重いカーテンを閉める。
しばらく眠気に意識を預けることにしようと思い、瞳を閉じた。
刻々と過ぎてはいるのはわかるが
相変わらずどれくらい経ったかわからない、この部屋を目に映す。
小宇宙による不快感も消え、身体がさきほどより軽くなった。
筆を出し、今日もロストキャンバスを作成しているかのように動かした。
そろそろ、この仕種も限界は当に近いな。
＿＿ｼﾞｼﾞｯ…アローン様
＿＿輝火か。もしや来たのか？
＿＿はい。さきほど
＿＿なるほど。やはりな。…よし、お前にもう一つ仕事を与える。しばらくは聖域の動向を観察しろ。もしハーデス城へ進軍するような事があれば戻ってこい。いいな？あくまでもばれぬように、だ。
＿＿承知しております。
通信が切れたように、静まり返った部屋の音が耳に入る
｢パンドラを呼ぶとしよう｣
ここまで身勝手な振る舞いは、許容範囲外だ。
パンドラよ
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作者名：ルビ | 作成日時：2022年2月1日 22時
