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『ッ…すみません、』
大きさや感触、そして下に向けていた視界に映る人の足らしきモノから、私はぶつかった黒い何かを人だと認識した。
謝罪の言葉が口をついて出たのは、完全に私に原因があったからだ。ボーッと考え事をしていたせいで、前方不注意だったのである。
「……お前、」
しかし顔を上げたのは、頭上から降ってきた、男のモノらしき声が故。
怒らせたかもしれない。
どこか聞き覚えがある。
その二つの思考が同時に脳みそで弾けて、私の心拍数は跳ね上がり、呼吸はグンと荒くなった。
『……れ、ん』
目の前に立っていた相手は、ぶつかった相手は…リセットされる前の世界で仮面ライダーナイトとして戦い、最期のライダーとして勝ち残った、秋山蓮という男だったのだ。
「A」
私が掠れた声で彼の名を呼べば、彼は落ち着いた、ともすれば重々しい声で私を呼ぶ。
嗚呼、彼は覚えている。
ライダーバトルのこと、ミラーワールドのこと、リセットされる世界での日々。そして、私のことを覚えていてくれたのだ。
『ちょっ、蓮ッ？』
「乗れ」
『何、急に』
「いいから」
ここで話したって邪魔になるだろう。
私の腕を突如引っ張って、自らのバイクに乗れと命じた彼。その言い分は確かに、頷けるモノではある。
しかし別に、同じバイクで行く必要は無い。自分の愛車はすぐ横にあるため、行先は知らないが別々で向かったっていいのでは、なんて提案もしたのだが…何故だか彼は、さっさと乗れの一点張りだった。
不思議には思うが、ちゃんと用が終わったらココへ送ってやると彼が言うので、これ以上拒否する理由もない。故に私は愛車から自らのヘルメットだけを手にして、彼の後ろに跨った。
『…懐かしいね』
「嗚呼。…そうだな」
着いた場所は大洗海岸だった。
晴天のおかげで水平線がクッキリ見えて、心地よい波の音と鼻腔を擽る潮の香りが、過去の記憶を鮮明に描き出す。
リセットされたこの世界で家族と訪れたことも何度かあるこの場所だが、隣に立つ人間が蓮である今、浮かんでくる記憶はライダーバトルの渦中の出来事だった。
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神崎(プロフ) - 面白くて一気読みしました！そしてめっちゃ感動しました。龍騎の作品を作ってくれてありがとうございました！ (2月11日 16時) (
レス) id: 225664e10d (このIDを非表示/違反報告)
麗大(プロフ) - 最高に面白かったです…！一気読みしてしまいました！！皆が幸せになれて良かった…！！ (2月7日 0時) (レス) @page50 id: c06fac28a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - こんばんは。完全完結おめでとうございます！もう全部素晴らしかったです…！設定からラストまで本当に好きです。なちなちこ。様、約一年、お疲れ様でした！！ (8月14日 21時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年6月18日 12時
