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「本気？」
『そっちから言ってきたのに？』
「こんなアッサリオーケー貰えると思わないじゃん。さっきまで俺の告白忘れてたようなヤツにさ」
『そ、れは…ごめん。正直全部完璧に覚えてるワケじゃないし、普通に生活してる分にはそうそう思い出さないし…』
「…マァ、気持ちは分からなくもないけどね」
俺だって、忘れた方が楽かもって思ったことあるし。
曰く彼も、初めから全ての記憶を持っていたワケでは無いらしい。徐々に思い出す過去、肝心な所だけ思い出せない葛藤…いっそ忘れた方が楽かもしれないと、考えないようにしていた時期もあったと言う。
「…一応聞くけど、無理してるワケじゃないよね」
『うん』
「嘘ついてるんじゃないよね」
『勿論』
言えば彼は、ようやく、深く安心したように笑った。
「…じゃあ、これからよろしく」
『こちらこそ。…マァ、多少思うところはあるけどさ』
「何？」
『あの時…私がライダーじゃなくて残念そうにしてたでしょ。殺し合えないとか言って』
"殺し合うなんて、すっごい愛情表現じゃない？"
その言葉は、リセットされる前、デートも終わりに差し掛かったその時、確かに彼から向けられたモノだ。
伝えれば、芝浦は、そっちは覚えてるんだ、なんて口を尖らせた。
しかしこの言葉の衝撃を鑑みて許して欲しいものだ。告白だってそうだろうと言われれば反論出来ないが、コレは簡単に忘れられるモノではない。
『冗談にしてはタチの悪い…』
「別にアレ、冗談じゃないけど」
『…やっぱり？』
「本心に決まってんじゃん。殺しあって…自分の手で殺せたら、もう他のヤツのモノにはならないんだから。つまりずっと俺のモノってことでしょ？」
どうやらリセットされたくらいでは、人間の根本とは変化しないらしい。
人の愛し方、なんていう人間の芯となる部分は、思う以上にシッカリ根を張っているようだった。
「マ、ライダーバトルは無くなったし、そもそもAはライダーじゃないし。殺し合うなんてできないから安心していいよ」
『…それならマァ、いいんだけど』
「その代わり、死ぬまで一緒に居てもらうから」
『…』
「受け止めてね、俺の愛」
似たような問答には覚えがある。
確かその時私は、｢無理｣と一言、簡潔に告げたのだ。
しかし彼はあの時以上に、語尾にハートが付きそうな程甘い声音で、宣戦布告のように愛の言葉を囁くものだから。
『上等だよ、芝浦』
残りの人生をかけて、今度こそ、その勝負に乗ってやろうと思うのだ。
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神崎(プロフ) - 面白くて一気読みしました！そしてめっちゃ感動しました。龍騎の作品を作ってくれてありがとうございました！ (2月11日 16時) (
レス) id: 225664e10d (このIDを非表示/違反報告)
麗大(プロフ) - 最高に面白かったです…！一気読みしてしまいました！！皆が幸せになれて良かった…！！ (2月7日 0時) (レス) @page50 id: c06fac28a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - こんばんは。完全完結おめでとうございます！もう全部素晴らしかったです…！設定からラストまで本当に好きです。なちなちこ。様、約一年、お疲れ様でした！！ (8月14日 21時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年6月18日 12時
