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『私もだよッ！』
返答の言葉は、噛み付くように、私の喉からあまりにも自然に飛び出した。先程から語気が荒いのは、焦りで声量の制御が出来ていないからだ。
こういう問答はもっと、感動的な、しみじみとした風情溢れるモノであるべきなんじゃあるまいか。別にロマンチストというワケでもないけれど、これが異様であるとは私ですら理解出来る。
けれどここまで来れば、もう、先延ばしにすることすらも出来なかった。
『バカみたいにお人好しでバカみたいに優しくてバカみたいに真面目で…つか実際バカだけど！』
「はァッ！？」
『散々辛い思いしたクセにどこまでも逃げないで戦い続けて…自分が辛くても無理して笑って…いつも…』
思い出すのは、確かに記憶に刻まれている…彼と過ごした、きっと、途方もない年月。
終わりのない戦いの日々を通して触れた… 惹かれるには十分な、手を伸ばしてしまうには十分な…目を背けたいほど綺麗で美しい、彼の心根。
最後に零した｢好き｣の一言は、彼の耳に届いたかどうかも分からない。
「…Aちゃん、」
『…ッ…、ホラ早く出るよッ！』
「Aちゃん俺、」
『何』
「大好き！」
『ッ、さっき聞いた！』
「俺と付き合ってください！」
『なッ、』
「返事はッ！？」
『いいよYESだよ良いに決まってンだろ！こちらこそよろしくお願いします！』
レジに伝票を差し出せば、心做しか店員のお姉さんの口角が持ち上がっている。羞恥が由来の言いようもない感情に襲われたが、ソレに何を言うことも出来ない。
せめてさっさと会計を済ませよう。
そう思って自らの財布へ手を伸ばせば、ソレを遮るかのように財布を手にした真司が進み出た。
「俺が払うって言ったじゃん！」
『いやッ…そ、だけど…ッつかお前いい歳してんだから財布変えろ！』
「ッな…別に良いだろッ！？」
『彼氏がバリバリ財布とか普通に嫌だから！変えないンならデートの時とか一銭たりとも払わせないからな！』
「彼氏か…へへ、」
『照れてんじゃねェよッ！』
久方ぶりに聞いたマジックテープを剥がす音に噛み付けば、いつの間にやら彼のペースに引き摺り込まれてしまう。
あまりに幸せそうに笑うものだから、反論の言葉すら出てこない。というより…彼はただ事実に喜んだだけだから、反論が出来ないというのが正しいか。
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神崎(プロフ) - 面白くて一気読みしました！そしてめっちゃ感動しました。龍騎の作品を作ってくれてありがとうございました！ (2月11日 16時) (
レス) id: 225664e10d (このIDを非表示/違反報告)
麗大(プロフ) - 最高に面白かったです…！一気読みしてしまいました！！皆が幸せになれて良かった…！！ (2月7日 0時) (レス) @page50 id: c06fac28a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - こんばんは。完全完結おめでとうございます！もう全部素晴らしかったです…！設定からラストまで本当に好きです。なちなちこ。様、約一年、お疲れ様でした！！ (8月14日 21時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年6月18日 12時
