城戸真司 END ページ1
損なくらいに優しい性根を携えて、偶然仮面ライダーとなり、誰よりも悩み苦しんだ男がいた。
彼の名は城戸真司。私と同じくOREジャーナルの記者であり、リセットされる前の世界で、仮面ライダー龍騎として人を守るため戦い続けた男である。
そして幸いなことに、再び相見えた時、彼にライダーバトルの記憶は存在していなかった。
初めて会ったかのように(実際そうなのだが)笑顔で自己紹介をするものだから、私は余計なことを言うのはやめて、ただ｢よろしく｣と返したのだ。勿論寂しい気持ちもあったけれど…彼にとって苦痛であっただろう戦いの日々は、思い出さない方が良いと思ったから。
「なぁ、Aちゃん、」
『ン…何、真司』
「えー…っと、」
なんて思考を展開していれば、小さく肩を叩かれると共に掛かった声。
その主は、丁度脳内に浮かべていた相手だった。噂をすればなんとやら…なんて言うけれど、よもや考えただけで当人が顔を出すとは。
「Aちゃん。…今日お昼、一緒に食べに行かない？勿論俺の奢りで」
『…いいけど…どうしたの突然』
「エッいやー…ホラ、たまにはいいかなって」
『…そう、』
時計を見れば、いつの間にやら昼休憩の時間。私と真司以外の社員が席を外していた且つ、仕事に没頭していて気付かなかった。
マァ、彼が持ちかけてきたお誘いには、断る理由も見当たらない。
『じゃあ…お言葉に甘えようかな』
言って、私は彼と共に昼食の場所へと向かった。
彼に"何処でもいいよ"と言われ、私が選んだのは何の変哲もないファミリーレストラン。真司は気を使っているのかと訝しんで来たけれど、純粋に、その店のオムライスが食べたかったのである。
きっと真の目的は食事では無いのだろう。
そんなことを思いながら店へ入り、席に付き、注文をして食事をし…しかし、さて帰ろうかという時になっても、真司に行動を起こす様子は見られなかった。
常にぎこちない笑みを浮かべているあたり、何か伝えたいというのは間違いない。このまま彼のアクションを待っていてはいつまで経っても進展しないので…私は口を開いて、彼の行動を促すことにした。
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神崎(プロフ) - 面白くて一気読みしました！そしてめっちゃ感動しました。龍騎の作品を作ってくれてありがとうございました！ (2月11日 16時) (
レス) id: 225664e10d (このIDを非表示/違反報告)
麗大(プロフ) - 最高に面白かったです…！一気読みしてしまいました！！皆が幸せになれて良かった…！！ (2月7日 0時) (レス) @page50 id: c06fac28a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - こんばんは。完全完結おめでとうございます！もう全部素晴らしかったです…！設定からラストまで本当に好きです。なちなちこ。様、約一年、お疲れ様でした！！ (8月14日 21時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年6月18日 12時
