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『いらっしゃいませー』
「いらっしゃいませ」
音だけで扉が開くのに気付き、洗い物の真っ最中だったため下を向いたまま、感情を削いだ歓迎の声を上げる。
目の前を優衣の身体が通過したので、私が急いで向かう必要は無いと思ったのだ。人見知りとはいえ、近頃彼女は接客なら問題なく出来るようになっている。
「おひとり様ですか？」
「ハイ！」
しかし聞こえてきた声は、ヤケに上擦った、聞き覚えのあるモノだった。
故に私は、洗い終わった食器を一度置き、即座に顔を上げる。
「あぁあ優衣ちゃん、ここは俺らがやるから」
「エッ、でも、」
『ごめん優衣洗い物代わって貰える？』
「わ、分かった…」
『ありがとう』
間に割って入ったのは、ライダーに触れ、優衣の精神的な不安が再発するかもしれない、と思ったから。それに、まだ本心から佐野を信じられていないこともある。
マ、考え無しよりかは疑り深い方が良いだろう。考え過ぎと言われても、それで妹が守れるなら安いものだ。
故に私は彼を優衣から引き離すように、部屋の隅の席へ誘導した。
「すげえ可愛い子ですね！」
『当たり前だろ私の妹だぞ』
「Aちゃんの妹！そりゃあ可愛いワケだ！」
血は繋がって居ないけれど。マァソレを伝える義理もないので、もう一度口を開くのは止めておく。
「もしかして、先輩の彼女とか？」
『は？』
「違っ…やめろよそういうこと言うの！ホラもうAちゃんが怖いんだって！」
「すっ、すみませんすみません」
「でも…こないだ会ったライダー達…香川と東條はちょっとワケあって…」
『ちょっ、真司、』
「優衣ちゃんの命狙っててさ…」
『お前、そんな簡単に言っちゃあ…』
「なっ…味方は多い方がいいだろッ？」
『そ、う…だけど』
真司がいとも簡単に口を開き、咄嗟に彼の口を塞ごうとする。しかし、彼は止める様子が無かった。
確かに優衣を守る人手は多い方が良いだろう。その味方を増やすために、詳細を語ることは必要だ。だがまだ信用しきれない相手に、ペラペラ喋ってしまうのは如何なものか。小さな不安が、鳩尾で燻り始める。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
