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「マァマァそうカッカしないで！」
だがしかし、他の客に話の内容は分からないので、現状、傍から見れば蓮の方に問題があるのだ。店員がいきなり客の胸ぐらを掴んで追い出した…なんて噂が広まっては商売上がったりなのだから、ここは堪えて欲しいものである。
「トニカク考えといてください？俺、強いっすよ？お買い得だと思うけどなぁ〜…ッぅお、」
「巫山戯るな」
蓮は最後に佐野を突き飛ばして、荒々しく扉を閉めた。ガラス越しに見える彼の顔は不満げだ。納得はしていないらしい。
流石にこのまま帰らせるのはライダーバトルの関係者としても花鶏の従業員としても気が引けるので、｢放っておけ｣と言う蓮を振り切って扉を潜った。
『佐野！』
「あ！Aちゃん！」
既に数メートル歩いていた彼は、呼びかければ即座に振り向き、先程同様人懐っこい笑顔を浮かべた。
怒っていたり落ち込んでいたり…そういったマイナスの感情は見えなくて、私は一先ず安堵する。
『あの…蓮がごめん。アイツもホラ…ライダーバトルに関してはピリピリするっていうか…』
「いやいや大丈夫！心配してくれるなんてAちゃんは優しいなぁ〜！」
実際、ライダーバトルに関しては"ピリピリ"どころじゃ済まないのだけれど。詳しいことをペラペラ話すワケにもいかないし、私に出来るフォローはこの程度であった。
「…Aちゃんって…あの二人の仲間なの？」
『…仲間？』
「ウン。終着点って怪我とか治せるんでしょ？ソレって、あの二人にしかしないのかな〜…って」
『いや…ソレは関係ないよ』
「関係ない？」
『ライダーには平等にしなくちゃいけないから。例えあの二人が嫌がっても…怪我してるライダーは治すよ』
「…」
私の情報が漏洩しているのはもう慣れた。どうせ、ライダーにした際に兄さんが話しているのだろう。
「優しいなぁ、Aちゃんは！」
『そんな大したことじゃ…』
「じゃあ、あの人には嫌われたかもしれないけど…これからも仲良くしてくれるってこと？」
『…仲良く？』
「そう！」
『アー…マァ、ウン』
あの人、というのは十中八九蓮のこと。
やったあ！なんて、彼は白々しく喜んだ素振りを見せ、流れるように連絡先を交換し去っていった。
嵐みたいなヤツだったな、と。
この時私は、彼が更なる嵐を呼ぶことも知らずに、一つ息を吐いて花鶏の手伝いへ戻ったのである。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
