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「お前…ッ！何でこんなこと、」
本来なら薪を入れるべき場所。
香川サンの資料は無造作にソコへ突っ込まれ、その半分程が炎によって失われていた。
「次に何をすればいいか分かんなくなっちゃったから…全部無くしてしまえばどうかなぁ、って」
「……え？」
「香川先生が居れば、教えてくれたのかもしれないけど。…唯一分かってたAちゃんを殺すことだって、邪魔されたし」
東條は言って、もう用はないとばかりに立ち上がり、部屋の扉へと向かっていく。
「…オイ東條」
「…」
「オイッ！」
『東、ッ…、』
「Aちゃん！」
すぐさま真司は立ち上がり、遠ざかってゆく東條の背を追いかけようとした。同じく私も彼を追おうとしたのだが…急に立ち上がったせいか立ちくらみを起こし、再びその場に倒れ込む。
故に真司は東條から私に意識を移し、その隙に東條は後ろ手に扉を閉め、401号室を出ていった。
「大丈夫ッ？」
『ごめん…』
「なんでAちゃんが謝るんだよ！今のは全部、アイツのせいで…」
『……ふ、』
上体を支えてくれる真司に謝れば、彼は腹をナイフで刺されたような顔をして、私の顔を覗き込んだ。
そんな痛々しい顔をされては、余計に申し訳ない気分になる。なんて思って少し笑えば、彼は一層辛そうな顔を見せた。私が、心配かけまいと無理をしているとでも思ったのだろう。
『…ソレ、』
「ッえ…嗚呼…。…コレって、」
しかし私が何より興味を示したいのは、真司の手の中にある香川サンの資料…の、一部。
見ればそこには、"ミラーワールドについて"という見出しから始まる、難解な文章や式が並んでいた。
真司の腕に凭れたまま、何とかソレを読もうとする。
しかし視界は段々と掠れてきて、眠りに引きずり込まれるような感覚が私を襲った。今になって、先程東條によって与えられたダメージが反映されているのかもしれない。
「…Aちゃん？」
『…』
「Aちゃんッ！？」
耳元で発せられているハズの真司の声が、酷く遠くに聞こえている。
段々と瞼が重くなって、とうとう私は意識を手放した。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
