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ライダーバトルの傷が痛いから、治しに来て欲しい。
受話器越しにその言葉を聞いたのは、いつもより遅く自室から一歩足を踏み出した瞬間のこと。
私を呼び出した相手は東條で、現在私が向かっている場所は清明院大学。401号室に居るから来て欲しい、と、彼は言ったのだ。
東條に対して思うことは多々あるけれど、ライダーバトルの傷と聞けば向かわずにはいられない。
兄さんは力を使うなと言ったけれど…ソレを理由に行くのを止めれば、何かの境界線が曖昧になるような気がしたのでだ。だから私は今まで通り、ライダーには平等に力を使おうと決めたのである。
それから昨夜…私は優衣と同じベッドで眠りについた。彼女がずっと恐怖を拭えない様子で、眠りに落ちることすら拒んでいたからだ。
実際、一度眠りに落ちても彼女はスグの目を覚まして、荒い呼吸を繰り返していた。その度涙を流す彼女を宥めて眠らせたのだが…彼女は何度も何度も、眠っては起きてを繰り返したのだ。
今日、起きる時間がいつもより遅かった主な理由はソレである。
『……東條？』
そうして数分の後、不安を煽る出来事で脳内を埋めながら、私は401号室の扉を開いた。
「…Aちゃん。…来てくれたんだ」
広がっていたのは異様な光景だった。
ガラスの破片やパイプ椅子が乱雑に転がっているのは、以前私や真司が訪れた時と変わっていない。相も変わらず薄暗い研究室の中…中心にあるストーブの前に、彼は座り込んでいたのである。
『何してるの、東條』
「何も。…Aちゃんを待ってたんだよ」
『……そ、』
近付いて、彼に向けて手を伸ばす。
勿論、ライダーバトルで負った怪我を治すためだ。彼はその一連の私の行動に対し、視線を移す以外に行動を起こさず無抵抗だった。
「英雄って、どうやったらなれるんだろう」
『…どうしたの、急に』
「英雄は、英雄になろうとした瞬間に失格だって。…ゾルダが」
その言葉に、彼の戦いの相手が北岡サンであったと理解する。
それならば、彼も怪我をしているかもしれない。東條を治し終わったら向かおうか…いや、確か島田サンとめぐみが彼の元にはいるんだった。ならば連絡をして、彼女らに合わないようにして…。
そんなことを考えつつ力を送れば、次第に、力を奪われる感覚も弱まっていく。ソレは怪我が治ったことの裏付けであり…私はゆっくり手を離した。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
