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『優衣…ホラこれ、温かいから』
「ありがとう…ッあ、」
『…大丈夫。無理しないで』
「……ごめん」
ホットカフェオレを優衣に差し出せば、彼女は受け取った途端ソレを地面へ落とす。
謝られたものの、ワザとじゃないとは分かっている。手に力が入らず、掴み続けることが出来なかったのだろう。
「優衣ちゃん、大丈夫…？」
アレから私は意識を失った優衣を抱え、近くの公園へ移動した。そして、現在ベンチに座る優衣の周りには、私だけでなく真司と蓮も集まっている。
突然飛び出してきたことを思い出し、真司と蓮に事情を説明したところ、彼らも心配して駆け付けてくれたのだ。
「…ッ！」
『優衣、』
未だ彼女は、恐怖から逃れられていないらしい。
時々、先程と同じように耳を塞いで蹲るのだ。そんな彼女に、名前を呼んで背中を摩るくらいしか出来ないことが、酷くもどかしかった。
「…私、もうすぐ消える」
『……え？』
そんな最中、優衣が呟いた言葉に、私は純粋な疑問がこもった声を一つだけ零す。
『消える…？』
「うん。…ハタチの誕生日になったら、消える」
来月に迫った彼女の誕生日。
ソレを迎えたら、優衣が消える。さっき見た通り、ライダーが消えるのと同じように、粒子になって消えていく。
そんな、まさか。私の脳は理解を拒むように、"有り得ない"の文字を打ち出し続けた。
「お姉ちゃん、さっき見たでしょ…？消えるんだよ、私」
「どうしてお前が」
「多分、ミラーワールドと関係があるんだよ」
蓮の言葉に、優衣は言う。
「…私ね、あんまり昔の記憶が無いんだけど。家族であちこち遊びに行って…凄く楽しかったことは覚えてる。お姉ちゃんはいつも家に居たけど…外での話を楽しそうに聞いてくれるのが、嬉しくて…」
「エ…何でAちゃん、家に？」
『…私、体弱かったから』
「なっ…」
『遠くに行く時は家に居たんだよ。土産話聞くだけで十分楽しかった』
真司と蓮とは、私の言葉に驚いたようだった。
無論、今までそんなこと話した試しがないからだろう。今の私を見ていれば病弱だったなんて想像はつかないだろうし、驚くのも無理は無い。
後で、誤解をとかなければいけないな、と思った。
「でも最近思い出すのは…私と、お兄ちゃんとお姉ちゃんのことだけ。三人しか居ないの。三人とも家に閉じこもって、ただずっと絵を描いてるだけ」
「絵を…？……でも、それなら別に、」
「モンスターの絵だよ」
優衣の言葉に、真司と蓮とが目を見開いた。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
