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「というかAちゃん、テーブルマナー上手だね」
『っえ…嗚呼、そう？』
しかし一転、佐野は声のトーンを明るくして笑顔で言った。
どうやら切り替えたらしい。空気を読み取って自ら変えたのか、純粋に思ったから口を開いたのか。いずれにせよ、重くなった空気を脱却できそうなら、ソレを阻止する理由はない。
「俺、社長になってから結構勉強したんだけど…こういうとこ、結構来るの？」
『全然。でもホラ…取材の関係でゼロってワケじゃ無いからさ。一応昔勉強はしたけど…』
「へぇ〜！凄いね！Aちゃん、仕事のためにそんな努力してるんだ！」
『…ありがとう』
少し大袈裟に聞こえるけれど、褒められて嫌な気分はしない。それが日頃努力している仕事に関するものであれば尚更だ。
そして彼の様子を見ていて、一つ良い変化に気が付いた。
『…自虐、しなくなったね』
「エッ…。…確かに、そうかも…」
『いいことじゃん』
彼が人を褒める度に行っていた、"自虐"という行為が無くなっていたのだ。
無論、いい変化だと思う。実際私は数日前、何様だとは思いながらも、"治して欲しい"と彼に告げていた。
「…俺、前まで駐車場の警備員してたんだけど。…その時金持ちっぽい人見つけては褒めて、お金貰ってたんだよね。…そのうち、自分のこと貶したら余計貰えるって気付いて…それからは、クセになっちゃってて」
『…ウン』
「でも、Aちゃんに言われてハッとしてさ。そういうので喜ぶのは、可哀想な人間だけだって…」
『なんか…ごめん。偉そうに口出しできる立場じゃなかったんだけど、』
「いや。俺、確かにって思ってさ」
それから、彼は人を褒める際、自虐をしないよう気を付けていたらしい。クセになっていたので気を抜いたら出てきてしまったらしいけれど…今は完全に無意識だった、と言うのだ。
自分に自信が持てたからだと思う、と、彼は言った。ソレは社長になったという事実は勿論、彼の気の持ちようもあるのだろう。言霊の力とは恐ろしいモノで、自分を卑下していれば、気付かない内に本心も下に引っ張られてしまうから。
偉そうなことを言ってしまったかも、なんて心のどこかに引っかかっていたのだが、プラスの方面に働いたようでなによりだ。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
