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「やっぱり本当のこと言った方が良いのかな…優衣ちゃんがモンスター操ってたこととか、」
「マァ…止めといた方が良い」
『優衣が聞いてきたら話すつもりだけど…これ以上混乱させても可哀想だし』
「そりゃそうだけどさ…」
優衣を連れて花鶏に戻り、彼女の無事を真司と蓮に伝えた後。私達は花鶏の扉の窓拭きをする優衣を、さてどうしたものかと見詰めていた。
優衣はミラーワールドでの一連を、ひとつも覚えていないらしい。身体に不調が無いことは幸いだが…原因解明など出来そうにないのが現状である。
「しゃーぼんだーまーとーんーだー…」
そんな中、ふと聞こえた抑揚のない歌声。童謡を紡ぐにはあまりにも無気力なソレは、部屋の隅の椅子に腰掛ける叔母サンが発したモノである。
彼女は室内にも関わらず、歌の通りシャボン玉を吹いていた。片側の服やら顔やらにシャボン玉が容赦なく纏わりついて、ソレを払いながら彼女へ向かい合う。
「やーねーまーでーとーんーだー…」
「ねぇ叔母さん、なんで今日お店休みなのッ？」
「休みなのよ。永遠にね。もうどうだっていいわこんな店」
優衣が発した言葉の通り、本日花鶏は臨時休業している。その理由は分からない。朝起きて店を手伝おうかと思ったら、今日は休みだと叔母サンが現在と同じ声音で告げたのだ。
「どうだっていいって…」
「何かあったの？」
「フン、白々しい。私はもう疲れたのよ。蓮ちゃんも真ちゃんもAちゃんだって手伝ってくれないし、優衣は無断外泊はするし。一体なーにやってたんだか知らないけど」
「それは…ごめん」
しかし理由を聞いて、私達は納得した。それと共に罪悪感にも襲われた。
叔母サンが自暴自棄になっていたのは、確実に私達のせいだったのだ。東條がバイトを辞めてスグに散々家を空け、迷惑も心配もかけたのだろう。
「…もうしないよ！また頑張るから！ね？」
「あー…頑張んなくていい…もうアテにはしてないから…はははは…」
「そんなこと言わないでよ！」
『そ、そうですよ！ホラ、これからはちゃんと手伝いますから…』
「蓮も真司君も何とか言ってよ！」
「ぁああ今度こそ頑張りますから！叔母さんの言うこと何でも聞きます！」
私達が必死なご機嫌取りをすれば、叔母サンは数秒沈黙して…口角だけを上げ、目が笑っていない笑いを零した。
「本当に、何でも言う事…聞くんだねぇ…？」
放たれた、言質を取ったとばかりの声。
ゾワ、と悪寒が走る感覚に、私達は身震いしたのだった。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
