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一体どうして。
他のライダーにやられたのか。モンスターにやられたのか。はたまたもう一度兄さんが現れて、彼を襲ったのか。
いや、そんなことを考える前に、まずは救急車を呼ばなくてはならない。私の力では兄さんが創っていないライダー…香川サンは治せないのだから、私に出来ることはそのくらいなのだ。
そうしてケータイを取り出したと同時。
『！』
香川サンの体は動かないまま、じわじわと粒子に変わっていったのである。
『…香川サン、』
彼に対して、思うことは沢山あった。
優衣を狙っているのは許せなかった。許すワケにはいかなかった。しかし、彼が大いなる葛藤を経て、その行動に出たことは分かっていた。彼が家族を大切にする模範のような父親で、その家族すら犠牲に出来る覚悟の持ち主ということも知っていた。
そして目の前の光景は、私が最も嫌う結末であったのだ。
「先生…」
香川サンが消え、空になった自らの腕。それを見詰めながら東條は泣いていた。
「ごめんなさい」
『ッ東條…！』
「ごめんなさい、先生。ごめんなさい…」
彼はうわ言のように謝罪を呟いて、膝からその場に崩れ落ちた。駆け寄って彼の前にしゃがみ込めば、彼の腕が伸びてきて縋るように肩が掴まれる。
謝罪の言葉は、守れなかった故か。そう思って、彼の肩に、私も手を添えた時。
「先生は、僕にとって一番大事な人だったから。だから、犠牲になってもらわないといけなかった」
『…え？』
「僕が、英雄になるために」
東條の体がこちらに倒れ込んで、そのまま痛いくらいに抱き締められる。まるで、怖い夢を見た子供に泣きつかれているような感覚だった。
数秒もすれば、肩の辺りがしとしと濡れてくる。東條の口から零れる謝罪の言葉も震えているから、本気で泣いていることは察することが出来た。
だからこそ、脳が理解を拒むのだ。
東條は、香川サンを殺した。
一番大事だったから。
英雄になるために必要だったから。
そう言って恩師を殺し、今、その死を嘆いて本気の涙を零している。
理解が出来なかった。
いや。
理解したくなかったと言う方が、正しいか。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
