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時刻はスッカリお昼時。
清明院大学から花鶏への道中、私はカフェかレストランにでも寄って昼食を取ろうと考えていた。この道なら選択肢は…嗚呼でも、少し遠回りをして気になっていたカフェへ行っても良いかもしれない。そんな思考を回しつつ、昼食に思いを馳せていると。
「Aちゃん！Aちゃーん！」
私の思考に水を差したのは、頭上から降ってきた聞き覚えのある声。
バイクを歩道に寄せて振り向けば、つい先程通過した歩道橋の上に人影がある。目を凝らせば、ソレは想像通り佐野であった。
『何、どうしたのこんなとこで』
「いやぁ、特になーんにも。Aちゃんは？」
『マァ…帰り道なんだけど。ついでにどっか寄ってお昼にしようかな、なんて思ってた所』
「へぇ〜！何食べるの？」
『いや…まだ決まってはないけど』
「そっかぁ。でも、Aちゃんならいつも美味しいもの食べてるんだろうなぁ〜！憧れちゃうなぁ〜！」
『…』
その言い回しには覚えがあった。
二度も目撃すれば当然だろう。彼は私を持ち上げて、自らの要望を通そうとしている。
過去の二度は真司や蓮に自らを雇って貰うためであったらしいが…今回の目的は恐らく、食事だ。
『…一緒に行く？』
「いいのッ！？アッでも…俺、お金ないからなぁ〜」
『ッとに白々しい…。…いいよ、奢るから』
「エッ…ホントにッ！？やっぱり優しいなぁ〜Aちゃん！凄い人って言うのは、周りの人への接し方から違うんだなぁ〜、俺とは全然違うなぁ〜！」
ここまでこれみよがしなオネダリを前に、｢ア、ソ。じゃあ私行くから｣なんてバイクに乗り込むことは出来なかった。痛めなくていいハズの良心が痛むし、何より今朝私は、彼が苦労しているという事実を聞いたばかりなのである。
マァ、何処かの守銭奴ではあるまいし、一人分の昼食くらい奢ってやろう。
『…ちょっと歩くし、店はこっちで決めるけど。平気？』
「ウン！」
バイクを転がして歩きながら、最寄りのレストランへと私達は向かった。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
