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「じゃ、城戸真司が、馬鹿だと思う人」
手ェ挙げ。
言いながら、北岡サンは自信満々、驚く程綺麗に挙手をした。先程は控えめだった蓮も小学生が横断歩道を渡る時のように、しっかり腕を伸ばして手を挙げる。
そして、コレばかりは私も手を挙げずにはいられなかった。何故って、彼は庇いようもないくらいの馬鹿で、私も散々被害を被っているから。真司が抗議の声を上げたが、撤回は出来ない。私だって、度の過ぎた嘘は付きたくないのである。
四人中三人に手を挙げられ、真司は逃れるように浅倉へ目を向けた。先程手を挙げなかった彼ならば、と、密かな期待が残っていたのだろう。
浅倉はくるりと真司へ振り向いて、目を合わせ、頷き。
「そんなぁ…」
控えめに、しかし確かに挙手をした。
「行くかァ…」
浅倉が言って立ち上がり、続いて、北岡サンと蓮も401号室を出ていく。
真司は未だ動かずに、先程いた場所に膝を着いていた。全身から悲嘆が伝わってくるようだ。
全員に"馬鹿"と言われたことが相当心にキているらしい。私もその一員でありながら、少々気の毒に思えてしまう。マァ、撤回する気はないのだけれど。
『真司…』
「…」
『あー…大丈夫！私は酷い奴なんて思ってないし…ソレにホラ、真司の馬鹿な所、私好きだよ、ウン』
彼の前にしゃがんで言葉をかけても、反応のひとつも帰ってこない。
多分無視しているとかではなく、放心状態故に聞こえていないのだろう。こうなっては私に出来ることはないから、先に帰らせて貰おうか。そう結論付けて、私は蓮達が向かったと同様、扉の方へ歩いていく。
一体この時間はなんだったのかしら。
脳裏がそんな思考で埋まりつつ、私は清明院大学を後にした。
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りんごキャラメル@さくらぁ - 《追記》しかしそんな馬鹿なトコがかわいくて好きです。 (5月19日 22時) (
レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
りんごキャラメル@さくらぁ - 多数決のシーン、好きです…(笑) 後から浅倉さんがゆっくり手をあげるトコとか。夢主ちゃんもあげましたか…やっぱり、真司くんは馬鹿なんですよ(←酷) (5月19日 22時) (レス) id: 0caca33ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2023年5月16日 18時
