鶴は幸せを運ぶのか Ⅷ (ページ36)

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"起きた時には解決してることを願ってる"

冗談交じりに放ったその言葉は、有難いことに現実となったらしい。

「ごめんね？今度のことで皆に迷惑かけちゃって」
『全然。平気ですよ』

泥のように眠った翌朝。払暁の時間帯にも関わらず思う存分シャワーを浴びた私は、朝食担当だった真司の口から、事件が解決したことを告げられたのだ。

犯人はやはり竹内真理だったらしい。動機は恐らく、OREジャーナルへの恨みである。何故"恐らく"かと言えば、彼女はミラーモンスターによって捕食されたから。残念ながら、助けることは出来なかったらしい。
そして竹内真理を襲ったモンスターを倒した後、そこに現れたモンスターが居た。それは前日にも火花を散らした、島田サンを襲ったモンスター。ソレを追った先に意識のない令子サンと島田サンを見つけ、見事救い出すことが出来たというワケ。

そして現在、私達はお祝いと称して皆で同じテーブルを囲んでいる。並ぶのは、美味しそうなタイ料理達だ。

「なんせAまで見合いする羽目になったからな」
『マァ、優衣に見合いなんてさせるワケにはいかなかったから』
「Aちゃん…もう体調大丈夫なの？」
「何、Aアンタ、体調崩したの？」
『崩したというか…』
「見合いのセッティングやら見合い本番やら情報収集やらで…殆ど二日眠ってなかったんだ。ソレをエナジードリンクで誤魔化してアレだけ動いてれば、反動もくる」
『多少は眠れてたしそこまでじゃないって』
「というか…Aちゃん、どうやって見合い相手の家抜け出してきたの？」
『思い出したくない』
「エッ」

テーブルを囲むのは、真司に蓮、北岡サンと私。そして、誘拐された令子サンと島田サンだ。
前々から行ってみたかったタイ料理店とあらば、断る理由はなかったのである。