鶴は幸せを運ぶのか Ⅷ (ページ34)

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繋がった。
繋がった繋がった繋がった！

私は現在、興奮冷めやらぬ脳内でバイクを走らせていた。
目指すはとあるカレー店。現在、真司と蓮と北岡サンとが食事をしている店である。

アレから一度花鶏へ戻り、私は着替えのみを行った。振袖は余りにも動くのに向いていなかったのだ。とりあえず振袖はハンガーに掛けておいて、適当なシャツとジーンズだけで外に出た。普段ならこの格好じゃコンビニにすら行かないが、この時ばかりはバイクに跨がれれば何でも良かったのである。
本当なら風呂にも入ってしまいたいが、そんなことをしては確実に動く気が失せてしまう。このやる気･意地が続いているうちに、真実を突き止めねばと思ったのだ。

そして真っ先に電話をした編集長から、いきなり答えは飛び出てきた。

"苗字が竹内の女性で、OREジャーナルに恨みを持っている可能性がある人は居ませんか"

蔵井サンが犯人でないなら、必要なのはお見合い以外の共通点。令子サンと島田サンの共通点なんて、OREジャーナルで働いていることくらいしか考えられないと思ったのだ。
故にしたこの質問。
アンサーは"竹内真理"だった。
以前はとある会社の長だったが、数年前、編集長の記事によって会社が潰れたらしい。彼は真実しか記事にしないから、裏で悪どいことでもしていたのだろう。そして案の定、彼女はOREジャーナルを恨んでいる。

私が誘拐されなかったのは、普段と姿が違ったからだ。どれだけ写真を見ていようと、今の私と普段の私とをパッと見で一致させられる人間はそうそういないだろうから。
偶然に偶然が重なって、今私は助かっているのである。

早く伝えなければ。
令子サン･島田サンときたら、次は真司か私か編集長か…。被害が拡大する前に止めなくてはならないのだ。

"今何処？"という問いに返ってきた、"カレー屋"という言葉。
こっちが駆けずり回っているのに何休憩をしているんだ！とでも怒るべきなのかもしれないが、もう怒る気力すらも残っていなかった。さっさとこの情報を伝えて休みたいの一心だったのだ。