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三十匹 ページ39

中島side

「すンませんでしたッ!!」

勢いよく頭を下げた目の前の人に僕は困惑した

「へ?」

此処は探偵社の下にあるえーっと…。

まあとにかく喫茶店に僕たちはいた。

取り敢えず生活に必要な物を買い、そのまま此処に連れてこられた。もう探偵社に所属するしかないことは悟った。…大丈夫なんだろうか、この職場。

「その、試験とは云え、随分と失礼な事を」

「ああ、いえ。良いんですよ」

目の前の彼は謝罪をしたかったようだった。

太宰さんたちは普通にお茶を飲んだりしているけど彼はまた違った人のようで僕は安心した。

さっきまで怖かったけれど意外と良い人だ…!

「何を謝ることがある。あれも仕事だ谷崎」

「国木田君も気障に決まってたしねぇ」

「[独歩吟客]!」

「ばっ……違う!」
「あれは事前の手筈通りにやっただけで」

国木田さんは勢いよく立ったがまた座り直した。
何やってんだこの人達

『何それすっごく見たかった。良いなぁ太宰君。ねぇねぇ国木田君、僕にも見せてよ』

「Aさんやめてください!」

……早く話してくれないかなぁ。話が無ければ此処に集められはしないと思うし。

「ともかくだ小僧」

落ち着いた様子の国木田さんは此方を見て話し始めた。

「貴様も今日から探偵社が一隅。ゆえに周りに迷惑を振りまき、社の看板を汚す真似はするな」
「俺も他の皆もそのことを徹底している」

……不安だ。僕に本当に出来るのだろうか?

「なあ太宰」

「あの美人の給仕さんに[死にたいから頸絞めて]って頼んだら応えてくれるかなあ」

「黙れ迷惑噴射器!大体お前はいつも____」

確実に選択ミスだと僕でもわかった。
でも少し安心……出来てない。出来てる訳がない。

『国木田君もこうなるってどうして予想出来ないんだろうね?不思議だよねぇ』

横に座ってきたAさんが笑って云うけども正直貴方も不思議な人だと思いますという本音は仕舞っておこう。

「今日はあの狐さんはいないんですね」

『ああ、鳥でも狩に行ったんじゃないの?勝手に消えるんだよね。ごん』

やっぱりこの人は不思議だ。

「ええと」

先程の良い人が声を上げた

「改めて自己紹介をすると……ボクは谷崎。探偵社で手代みたいな事をやってます」

……まともな人って有難いな。



この思考が変わるのは案外すぐだった

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強いうさぎLv3 - 新美南吉…!!地元…!!(嬉しい) (2019年6月14日 20時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百合 | 作成日時:2018年8月5日 19時

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