オモチャ。34 ページ35
あの後、食器を片付けてからすぐに伊佐美の家に向かった。
トビオは嫌がったけど、このままじゃ状況は悪くなる一方。
今のうちに、自分たちの気持ちをきっちり整理しておいた方がいい。
そう説明したら、トビオは渋々重い腰をあげてくれた。
インターホンを鳴らして、私達を迎え入れてくれたのは、今宵ちゃん。
気を使わせちゃったらしく、お茶とお菓子も出してくれた。
部屋を見渡すけど、伊佐美の姿は無い。
出掛けてるのかなと思いつつも、今宵ちゃんに質問してみた。
『伊佐美は、今日用事?』
伊佐美、という名前を発した時、今宵ちゃんの笑顔が一瞬固まった。
でもすぐにまた笑って
「翔くん、いなくなっちゃったんです。」
と言った。
いなくなったって…まさか、あの事件の事で捕まるのを恐れて逃げまわってるってこと?
『連絡はとれてるの?』
「LINEも電話も、何度もしましたけど全部無視されてます。」
さっきと変わらず笑顔で言っているけど、やっぱりどこか悲しそう。
「ま、もういーんですけどね!
あ、良かったらご飯食べてってくださいよ。
先輩たちのために、美味しいの作ります!」
そう言いながら台所の方に歩いていく今宵ちゃん。
折角のご厚意を断るわけにもいかず、ご馳走になることにした。
かと言って、ずっと座ってるのも暇だったので途中で野菜の皮剥きを手伝った。
こうして見ると、今宵ちゃん手際いいなぁ。
『今宵ちゃん、きっといいお嫁さんになれるよ。』
そう言うと、今宵ちゃんはエヘヘと笑った。
可愛い。こりゃ女好きの伊佐美はイチコロだったろうな。
・
・
『ふーい、食った食った』
夕食を終え、膨れ上がった腹を撫でる。
「お口に合いました?」
『うん、凄く美味しかった。ごちそうさまでした!』
今宵ちゃんに向かって、手を合わせながら軽く頭を下げる。
「良かった〜。こちらこそ、おそまつさまでした!」
嬉しそうに笑い、食器を片付ける今宵ちゃん。
「いやぁ〜こんな美味い料理毎日食わしてもらってたんだなぁ伊佐美って。」
トビオの言葉に、明らかに顔をひきつらせる今宵ちゃん。
またこいつは…
腹立ったから、今宵ちゃんに見えないように卓袱台の下でトビオの足をつねった。
トビオは痛そうに顔をしかめたけど、自業自得だ。
「…あ、アイスあるんです!取ってきますね!」
そう言いながら台所に消える今宵ちゃん。
また、気を使わせちゃったよ……
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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あずきいろ
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ななみ - 主人公と、トビオのpinkなシーンがほしいです。 (2017年9月24日 22時) (レス) id: c36a27a292 (このIDを非表示/違反報告)
螢*(プロフ) - あ…笑深夜テンションでボケボケでした。ご指摘ありがとうございます。 (2017年8月17日 9時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
もなこ(プロフ) - 27.28がないんですけど…… (2017年8月17日 1時) (レス) id: 054e8b5694 (このIDを非表示/違反報告)
綾臣 - 更新まだですか? (2017年8月12日 17時) (レス) id: ccbde97d96 (このIDを非表示/違反報告)
螢*(プロフ) - 夜大好き!さん» 本当にカッコいいですよね!1話1話重ねるごとにイケメンさが増してて…(*´`*)はい!更新頑張ります!! (2017年8月9日 23時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:螢。 x他1人 | 作成日時:2017年7月26日 2時