オモチャ。16 ページ17
『あの、な、何をしてらっしゃるんでしょうか。』
状態が理解出来ない。
何で今こいつは私の指を舐めてるの。
「見ればわかんだろ。
ばんそーこーねぇからその代わり。」
執拗に指を舐めてみせられる。
いや。
いやいやいやいやいやいやいやいや。
コップ割った私が悪いんだけどね。
もっと他に止血法あったでしょうよ…。
…でも、手当てしようとはしてくれてるみたいで、ちょっと見直した。
『あ、私絆創膏ポケットにあるから、後は気にせずに食べてていいよ。』
「もう食い終わった。ばんそーこー貸せ。貼ってやる。」
そう言われて、戸惑いながらもポケットから絆創膏を取り出して渡す。
自分じゃ貼りにくいのを察してくれたのだろうか。
……何か、優しいかも。
『ありがと。』
素直に礼を言う。
「…さっさと片すぞ。」
『うん。』
・
・
・
哲人side
時計を見ると、もう一時過ぎで。
腹が一杯のせいか睡魔が襲う。
本当なら今頃、ソファで寝ている筈なのだが
あの女…Aが洗濯物入れてないだの明日の用意が出来てないだのとピーピー五月蝿いので、仕方なくバイクに乗せて帰らせることになった。
眠ぃっつーのに…
鬼かよこいつは。
「これで事故ったらお前のせいだからな……」
後ろに乗るAをヘルメット越しに睨む。
『だ、だって帰り道わかんないんだもの…』
溜息をつきながらスピードを出す。
まぁ、こいつが一人で帰って襲われでもしたら癇に障るしな。
そう自分に言い聞かせながら、運転に集中する。
数十分後、『あ、ここで止めてっ』と言われ見馴れた建物の前に停車する。
矢波高の、真ん前。
「ここでいいのか。」
『うん。私の家、ここから歩いてすぐだから。はい、ヘルメット。』
差し出されたそれを無言で受け取る。
『あ、のさ。色々ありがとね。手当てしてくれたり送ってくれたり。』
「…ん。」
『ちょっとだけど、話せて嬉しかったよ。』
その言葉に、少しだけ胸が波打った。
そうゆーの、そんな無防備な顔で言うなよ。
気づいたら、あいつの腕を引いてあいつにキスしてた。
あの時とは違って、今日は触れるだけ。
『あ、えっ、なっ…!?』
途端に頬を紅に染めるA。
本当、タコそっくりだな。
「…また明日。」
顔を真っ赤にして混乱しているAに向かってそう伝え、ハンドルを切った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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あずきいろ
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ななみ - 主人公と、トビオのpinkなシーンがほしいです。 (2017年9月24日 22時) (レス) id: c36a27a292 (このIDを非表示/違反報告)
螢*(プロフ) - あ…笑深夜テンションでボケボケでした。ご指摘ありがとうございます。 (2017年8月17日 9時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
もなこ(プロフ) - 27.28がないんですけど…… (2017年8月17日 1時) (レス) id: 054e8b5694 (このIDを非表示/違反報告)
綾臣 - 更新まだですか? (2017年8月12日 17時) (レス) id: ccbde97d96 (このIDを非表示/違反報告)
螢*(プロフ) - 夜大好き!さん» 本当にカッコいいですよね!1話1話重ねるごとにイケメンさが増してて…(*´`*)はい!更新頑張ります!! (2017年8月9日 23時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:螢。 x他1人 | 作成日時:2017年7月26日 2時