オモチャ。13 ページ14
カラオケ屋を飛び出して向かった先は、
矢波高。
あいつは絶対、そこに居る筈だから。
校舎に入ったら、まずあいつらの“巣”を探さなきゃ。
そう思って、足を進める。
…でも、その必要はなかったみたい。
「…よぉ。」
一番会いたかった奴が、バイクに凭れながらのお出迎え。
先程まで吸っていたのであろうか煙草のにおい。
…これほど態度の悪い歓迎の仕方は初めてよ、
市橋哲人。
でも、探す手間が減って助かった。
…それより、早速本題に移ろう。
『…あの動画、どうするつもり…？』
恐る恐る、聞いてみる。
凡下高に全校送信…？
それともトビオ達だけに…？
どっちみち、私の平和な高校生活は終わりを告げる。
停学だろうか、退学だろうか。
もし処分を免れたとしても、卒業するまで淫乱だとか痴女だと罵倒されるだろう。
トビオ達や、蓮子ちゃんにも＿＿＿
そんなの、嫌だよぉっ……
泣きそうになりながらも、男の回答を待つ。
「…別に、どうもしねぇよ。」
『…えっ…？』
予想外で、思わず間抜けな声が出る。
ふいに、球体の何かを放り投げられる。
ヘルメットだ。
「但し、俺の言うこと聞けばな。」
交換条件だ。と言いながらバイクのエンジンをかける男。
バイクに乗れば、交渉成立ってわけか。
…こいつの言いなりになるのは嫌だけど、
まぁまぁ楽しかったあの生活を壊されるのは、……もっと嫌だ。
『…わかった』
覚悟を決めてヘルメットを被り、バイクの後ろに乗る。
それを確認した男は、すぐにハンドルを切って発車させた。
・
・
・
夜風に髪が靡いて心地よい。
バイクって、こんなに風を感じられる乗り物だったんだ。
一人感心してると
「…おい、ちゃんと腰に手ぇ回せ。落ちるぞ。」
『はっ！？い、嫌よそんなの！』
恋人でも無いのに、腰に手を回すなんて…！
躊躇っている私を無視し、私の手を取り腰に回させる男。
途端に密着する体。
『ちょっ…！』
「さっき俺の言うこと聞くっつったろ。」
『う……』
男の言葉に、何も言えなくなる。
密着した体から、ほんのり煙草の匂い。
不思議と臭くない。寧ろ…
『……ねぇ、今からどこに行くつもりなの？』
そういえば、行き先も聞かずについてきてしまった。
「…俺ん家。」
『ああそうあんたの家かぁ〜…って
はあぁっ！？』
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ななみ - 主人公と、トビオのpinkなシーンがほしいです。 (2017年9月24日 22時) (
レス) id: c36a27a292 (このIDを非表示/違反報告)
螢＊(プロフ) - あ…笑深夜テンションでボケボケでした。ご指摘ありがとうございます。 (2017年8月17日 9時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
もなこ(プロフ) - 27.28がないんですけど…… (2017年8月17日 1時) (レス) id: 054e8b5694 (このIDを非表示/違反報告)
綾臣 - 更新まだですか？ (2017年8月12日 17時) (レス) id: ccbde97d96 (このIDを非表示/違反報告)
螢＊(プロフ) - 夜大好き！さん» 本当にカッコいいですよね！１話１話重ねるごとにイケメンさが増してて…(*´｀*)はい！更新頑張ります！！ (2017年8月9日 23時) (レス) id: 65826167d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：螢。 x他1人 | 作成日時：2017年7月26日 2時
